コンクリートの軒や庇は落ちやすい

 以前、公団住宅のベランダが落ちて問題になったことがありました。原因は工事ミスということですが、これは何も公団住宅だけがこのような工事ミスで落ちやすいのではありません。同じようなケースは、一般の住宅やマンションはもちろんのこと、学校や、公民館などあらゆる建築物で見られる現象の一つです。
 そもそもベランダのように建物の本体から突出した部分というものは、下に支えがないので落ちやすいのです。構造計算上は落下しないように十分検討をし計算し、図面を描いているのでしょうが、現場で工事をする段になると、建物の本体ではないということから、どうしても安易に考えやすいのでしょう。

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 公団住宅のベランダが落ちた原因は、どんな現象であったのか分かりませんが、その原因はおそらく、スラブ筋(ベランダや、庇などに入っている片持ち式の鉄筋)の、のみ込みの長さ(建物の本体部分に入り込む鉄筋の長さ)が少なかったか、鉄筋の定着長さが少なかったからです。
 もし、スラブ筋ののみ込み長さが短かったり鉄筋の定着長さが少なかったりした場合であると、鉄筋屋の工事責任になりますが、その工事を監理した工事監理者にも責任があります。どうも工事を監理する場合、工事がある程度進行してしまうと、せっかく組み立ててしまったのだから、まあがまんしようなどと思いやすい。そのときは、がまんするだけでもすむかもしれないが、もしそれを使っていて落下し、人命にでも危害を加えたらどうするのか、よく考えて監理をしてもらいたいものです。
 これと原因は違いますが、軒や、庇のコンクリートだけが落下する現象がよく見られます。これを、コンクリートの剥離現象といいますが、これはスラブそのものが根もとから折れて落ちるより危険ではないが、やはり頭の上などに、コンクリートの塊などが落ちて来だのでは大変です。もちろん鉄筋に付着しているコソクリートが剥げ落ちれば、いずれ鉄筋も錆びてきて、スラブ全体が落ちてこないとはかぎりません。
 この原因はいろいろありますが、私の見たものでは凍結によるものが多い。凍結による場合は主として、コンクリートの上に上塗りしたコンクリートモルタル部分が剥げ落ちるのですが、コンクリートの付着力に注意すればある程度は防げます。注意したいものです。

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