畳は便所の床より汚れている

 日本の住宅では畳はなくてはならない床材料の一つです。日本人の生活は最近どんどん洋式化されてきています。しかし、ときには畳の上で大の字になってごろりと昼寝などするのも、また乙なものです。この畳というものは本来、たたむということで古くは、むしろ、こも、皮畳、絹畳などのたたむことのできる敷物を総称していったものです。私達が現在使用している畳とは、藁(わら)を糸でさしかためた床(とこ)にい草(いぐさ)で編んだ表をつけ、家の床の上に敷いているものですが、これを敷畳と称しています。この敷畳はまことに足裏の感触が良く、ほかの床材に比べ疲れも少なくてすみます。

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 畳はまことに不衛生きわまりないものである。以前に学校環境衛生基準なるものを作成したときに細菌学の先生が畳の上と便所の中の床上とどちらが汚れているかを調べ発表されたことがあります。
 一般にはなんとなく便所の中の床上と答えがちですが、この畳は便所の床上の何十倍も細菌が多いことが立証されていました。それかどうか知りませんが、それからしばらくして畳表にビニール系の材料を使うものが出てきました。このビニール系の材料も一枚のビニールにいぐさで織ったように加工したものと、ビニールそのもので織ったものと二通りがありました。これは現在でも市販されているが、細菌数は減ってもやはりいぐさで織ったものとはその肌ざわりがまるで違う。しかし汚れないという点ではビニールのほうがはるかによい。
 近年はビニール系の材料は、防火上好ましくないということでまたあまり使われなくなってきましたが、一時旅館や、公民館などでは衛生上良いということであちこちで使われたこともあります。次に畳は湿度が高いとき湿って困るということから中に入れる藁(わら)材料のかわりに発泡スチロール材が使われ出しました。
 これも畳下全部に発泡スチロールを使ったものと、藁を敷いてその下に発泡スチロールを使っているものとの二通りのものがあります。全部発泡スチロールのものが好くて持ち運びに便利ですが足裏の肌ざわりはいぐさよりはよくありません。藁と発泡スチロールが合成されたものも出回っていますが比較的肌ざわりがよいことからかなり好まれています。しかし値段がまだ多少高いのがたまにきずです。ただし湿度の点だけはある程度防げる。そこでこの藁と発泡スチロールの合成したものにさらにビニールの畳表を使ったものも出来たが足裏の肌ざわりは悪い。
 まだいぐさと藁でできた敷畳に替わるべきものが出来てこない。早く衛生的で足ざわりのよい畳に替わる材料が出てくることを期待したいところです。

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