手抜き排気筒は事故のもと

 昭和四十七年二月三日東京都大田区のマンションで、女性二人が入浴中に亡くなった事件がありました。原因はガス湯沸かし器に接続している排気筒のズサンな工事からでしたた。この原因は三つあり、まず第一に排気筒はあったが、煙道部分が途中ではずれ連続していなかったこと。第二番目は、換気扇はあったがコンセントが入っていなく、稼動していなかったこと。第三番目は、その換気扇がうまく働かなかったために、遂にゴミがつまってしまったなどの原因によるらしい。換気扇による事故はなお跡をたたない。欠陥住宅によって人が亡くなる例は多く、なにも換気扇だけにかぎるものではありませんがやはり悪質な欠陥住宅といってよいでしょう。

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 この場合には、換気扇も排気筒も一応形だけは正常についていたのですが、その役目を正常にはたさなかったために起こった事故の例です。四十二年の十一月に起こった死亡例は、ガス湯沸かし器は外国製で、パイロット安全装置付き(ガスバーナーが消えても生ガスがもれない安全な構造になっている)であったが、排気筒の方の横引き部分が極端に長いにもかかわらず、立ち上がり部分が短くさらに下向きであったために、いわゆるドラフト効果(排煙効果)が悪い設計であったものです。さらに輪をかけて、湯沸かし器の立ち上がり部分と横引き排気筒の接続部分のエルボが工事ミスによって取り付けわすれ天井裏に置きわすれたままになっていたということと、排気が行われていなかったために、排気筒に鳥が巣をつくってしまい、事故をさらに大きくしてしまったものです。これはあきらかに設計の段階でのミスです。
 設計ミスにしろ工事ミスにしろ、事故が起きて人が死亡してしまった。当然のことながら、排気筒を設ける場合には横引き長さより立ち上がり長さが長くなければその効果を果たさないのは建築家の常識です。この事件がその後どのように解決したのかは知りませんが、一体誰が最終的に責任を負うのでしょうか、亡くなった人には誠に気の毒なことです。

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