地震のときの逃げ場と危険な家具の配置

 人間の習性というものはまことに恐ろしいものです。人間いざというときにはかならず自分がいつも入って来た方向に逃げるものです。先日、テレビを見ていたら、この実験をねずみを使ってやっていたましたが、人間もねずみも、これに関してはまったく同じ結果です。ねずみの実験では、毎日餌を与えるのに別室を設けそちらに行って食べさせるようにします。毎日毎回それをくり返し、こんどは餌を食べているときに急に音や光を出しねずみを恐怖に陥れます。ねずみは急いで自分の入って来た入り口の方に向かって逃げて行く。今度はこの入りロを閉めてしまう。もちろん別に逃げ道を作っておいてやるのだが、ねずみは入りロに殺到し、いつもは並んで整然と入るのに、このときばかりはパニック状態に陥り混乱を起こします。このテレビを見ていて十勝沖地震のことが思い出されます。
 十勝沖地震のときには私は現場に実際居合わせたものではありませんが、地震時の逃避経路調査というものをやったことがあります。ごく一部の人は窓から外に逃げたが、多くの人々は自分の入って来た玄関の方に逃げています。集団でリーダーにしたがって移動した人などは、比較的冷静さを持って出入口から逃避していますが、リーダーのない多人数の集団が一番悪い。みんながそれぞれ勝手なことをいうので、結局逃げ場を失うことになります。この逃避の時、困るのが玄関の下足箱や、出入口周りにおかれた本棚です。少し大きな地震になると、このような下足箱や本棚はひとたまりもなく倒れてしまいます。十勝仲地震では、この倒れた本棚や、下足箱の上をのり越えてみんな逃げているますが、やはり地震や火災のときの逃げ場所には物を置かない方がよい。特に学校とか公共建築物などの下足箱は大きいのでうっかりすると押しつぶされることがある。ふだんから十分注意しておきたいものです。

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 少し大きな建物になると非常階段がついています。これは建築基準法という法律で規制されているのでつけないわけには行きません。非常階段は、建物の内部に設けられているものと、外部に吹きさらしになっているものがあります。火災の場合はむしろこの吹きさらしの方が安全率が高い。これは千日前ビル火災の例をあげるまでもなく、内部に設けられている階段の悪い例は、いくつも実証ずみです。
 その後、高層ビルに対してはさらに規制もきつくなったので、安全性が高くなったであろうが、やはり普段の管理が悪ければ別問題です。次に建物の外に出ている階段ですが、これがまたあまり役に立だない例が多い。私も旅館やホテルに着くとかならず非常階段を見ておきますが、この外部に面した非常階段というのは鍵が閉まって開かないところが多い。
 十勝沖地震のときの例ですが、学校の校舎で地震だということで非常階段から逃げることを指示したら鍵が開かないという。普段は使用すると危険であるということから鍵をかけ使わせないようにしていたのです。鍵をさがして非常ロの扉を開けたところがそこには無残にも階段は破壊され、めざす階段がなかったというおかしな話があります。これに限ったことではない。あちこちの学校や、そのほかの建物で起こった実例です。
 これは外部に設けられた非常階段と建物の本体との接合部がしっかりと接合されていないために起こったことですが、むしろ考えようによっては、この非常階段の扉が容易に開かなかったためにそこから逃げようとした多くの人々は命びろいをしたのです。人間何が幸いするかわかりませんが、もしこれが火災だったら大変なことであったろう。おそらく非常階段まで来て逃げ場を失って大量に煙にまかれ、死者がでたことでしょう。

住まい暮らし生活
地盤の悪い土地は高くつく/ 北向きに傾斜した土地は病人をつくる/ T字型道路の突き当たりの敷地/ 歩道橋の近くの敷地は危険/ 川や崖地の近くの敷地は危険/ 冬でも日当りを良くするための敷地の広さ/ 敷地を買う前に専門家に相談しましょう/ 部屋面積の二倍が建物の延べ床面積になる/ 家の広さはどれだけあればよいか/ 寝室は専用の方が安眠できる/ 収納スペースはできるだけ多く/ 主婦の労働を軽減するダイニングキッチン/ 狭い住宅に応接間は不要/ 老人の住まいは洋式に/ 基礎がしっかりしていないと床が浮く/ 床の換気は十分に/ 家庭用マンホールが壊れているものが多い/ 基礎と土台はよく繋いでおかないと危険/ 軒や庇の出が少ない建物は早くいたむ/ 地中に入る鉄筋は土に接すると早く腐食する/ 建物の寿命/ コンクリートの軒や庇は落ちやすい/ 陸屋根の雨漏りは簡単に修理できない/ 建物内に作った雨樋は建物を痛める/ 鎹は根元までしっかり打たないと役にたたない/ 一方向にしか向いていない筋かいは役に立たない/ 丈夫な方づえは家を壊す/ 金物を使わない建物は地震に弱い/ 鉄骨は正しい溶接をしていないと危険/ 通路に面して屋根の屋根の流れをつける場合は雪止めを付けないと危険/ 上の階にピアノなどの重い物を載せるのは危険/ 野縁の材料が悪いと天井が落ちるので危険/ 手すりの幅は子どもの頭より細くしないと危険/ 窓の格子は付けないににこしたことはない/ 輸入材は性質を調べて使わないと建物の痛みが早い/ 建具の手抜きは子どもがケガをする/ 畳は便所の床より汚れている/ 結露は仕上材で防げる/ 白い天井は子どもの知育を遅らせる/ 子供部屋には化粧壁を使わない方がよい/ 色壁は人間の感情を左右する/ 壁の色を選ぶときは薄目の色を選ぶ/ 室内の換気口はプロパンガスでは下に、都市ガスでは上に/ フードの正しい付け方/ 手抜き排気筒は事故のもと/ 風呂場での心臓麻痺はなぜ多い/ 蛍光灯は二本一緒につけないと目が疲れる/ 暗い部屋でテレビを見ると目が疲れるのはなぜ/ 配管ミスは病気を招く/ 排水が凍る場合はトラップの水も抜く/ 和風便器は痔や卒中の原因となる/ 陸屋根は天井高を高くしないと夏暑い/ 流しの隣りにコンロ台を置くのは危険/ 屋根の断熱材はどこに/ 騒音は住宅内でも防げるか/ 地震の時は間仕切り壁に近づかない/ 地震のときの逃げ場と危険な家具の配置/ 鉄筋コンクリートの建物は地震に強いか/ 台風や地震のときはガラス窓は危険/ 台風の多いところでは、屋根の形や構造に気をつける/

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