建設業者をどうやって選ぶか

 建設業というものはまことに複雑な機構になっています。うっかりすると自分で仕事を頼んだ業者が仕事をやっていない場合があります。特に少し大きな会社に一般住宅などの小規模の工事を頼むと、まるで下請け業者に全部まかしたまま、あとは知らぬ顔の半兵衛をきめこむ業者もかなりあります。
 こんなとき、下請け業者にいくら文句をつけても、業者の方は直接施主にたのまれたものでないから、いうことなど聞いてくれません。このようなときは現場で文句をいうのは損です。頼んだ建設業者と直接掛け合わないと話にならない。ところが、最初に頼んだ業者、これを元請負あるいは元請け業者といいますが、この元請け業者は、現場に行ったことがないとすれば、なんのことやらさっぱりわかりません。話のらちがあかないうちに工事はどんどん進んでしまうことになります。そのうちもうここまで工事をしてしまったのだからと我慢させられてしまり。それでも直しを強要したりすると追加工事費をとられたりします。業者を決める場合はよほど慎重に選ばないととんだことになります。

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 業者を選んで請負工事をしてもらうのには一括請負と分割請負方式があります。一括請負工事方式とは建物が出来上がって使えるようになるまですべてを一つの業者に請け負ってもらう方式で、分割請負方式とは工事種別に分けて工事を請け負ってもらう方式です。分割請負の方が多少割安になるということで分割請負に出す人も多いが、これは素人ではかえって失敗することが多い。工程上の問題や請負業者同士の反目などがあります。もちろん一括請負で工事をたのんでもその業者が全部の工事を自分のところでやるわけではありません。ほとんどの工事は下請け業者に分割して請け負わせます。下請け業者は一つの工事について少なくとも数十種類の業者が入ってきます。ここにその主なものをひろって見ると次のように分けられます。

 (1) 大工工事(木材の加工取り付けによる建築物の構築を主とする工事)

 (2) とび職工事(足場の組み立て、杭打ち、重量物の運搬据え打ち、建築物の建て方および解体などを主とする工事)

 (3) 土工事(掘削、埋め立て、整地など土砂に関する作業を主とする工事)

 (4) 鉄骨工事(型鋼、鉄板などの鋼材の提供と、その加工組み立ておよび取り付けなどを主とする工事)

 (5) 鉄筋工事(棒鋼の加工組み立てを主とする工事)

 (6) コンクリート工事(骨材、セメントなどを主材料とし、その運搬、コソクリート打ち込み等の工事)

 (7) 煉瓦工事(煉瓦の組積を主とする工事)

 (8) 石工事(石材を提供するとともにその加工、組積による建築物の建設または建築物に石材をはりつける作業を主とする工事)

 (9) タイルエ事(タイル、テラコッタなどを建築物にはりつける作業を主とする工事)

 (10) 屋根工事(瓦、スレート、板金などの屋根材を提供するとともに、それらをふく作業を主とする工事)

 (11) 防水工事(アスファルト、防水紙、セメント、防水剤などの材料を提供するとともに、それらを使用して建築物の防水を主とする工事)

 (12) 板金工事(金属薄板などを提供するとともに、それらを加工して、建築物に取り付ける作業を主とする工事)

 (13) 金物工事(金属材料を提供するとともに、それの加工組み立て、建築物に取り付ける工事)

 (14) 木製建具工事(木製建具の加工組み立て、建築物にはめこみ作業を主とする工事)

 (15) 金属製建具工事(建共用金属材料を提供するとともに、それを加工組み立て、建築物にはめこむ作業を主とする工事)

 (16) 左官工事(土、セメント、石灰、プラスターなどの左官材料を提供するとともに、これらを調合混練して、こて塗り、吹き付け、洗い出し塗りなどの仕上げを行う工事)

 (17) 塗装工事(塗料を提供して、それを建築物または建具などの表面に塗布して仕上げを行う工事)

 (18) 壁紙工事(紙、布などの壁材料を提供するとともに、それらを建築物や建具などに貼り付け仕上げ作業を行う工事)

 (19) 畳工事(畳の材料を提供するとともに、畳の敷き込み、表の取り付けなどを主として行う工事)

 (20) 装飾工事(窓掛け、日除けなどの材料を提供するとともに、それらの取り付けを行う工事)

 (21) 各種床仕上げ工事(フローリングブロック、リノリウム、ゴムタイルなどの床仕上げ材料を提供するとともに、その敷き込みを行う工事)

 (22) コソクリートはつりおよびこわし工事(コソクリート、石材、煉瓦などの穴あけおよびはつりならびにこれらの大塊破砕を主とする工事)

 (23) 電気工事(電気材料を提供するとともに、これらを使用して建築物の内外への電気の配管配線、電気器具類の取り付けなどを主として行う工事)

 (24) 管工事(暖冷房、給排水衛生、換気、空気調節、削井などに要する材料を提供するとともに、それを使用してこれらの施設のための配管、機器の据え付けなどを主として行う工事)

 (25) エレベーター等の機械設置工事

 (26) 煙突工事

 これはごく大まかに分けたものですが、それでもこれだけに分けられます。これをさらに職人といわれる建築労働者によって分けると約六十種類になります。一つの工事をするのにこれだけの種類があるのですから、自分で分割請負をすることは大変なことである。多少工事費はかさんでも、やはり一括請負が一番よ い。ただしさきほど記したように全工事を下請けに出すような業者にはたのまない方がよいでしょう。

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