欧米の寝室には浴室がついている

 何百年来、寝室を用いてきた欧米の住まいを見てみましょう。もちろん、一ロに欧米といってもアメリカとスペインとドイツでは随分ちがいがありますが、また、一面共通する所もあります。どういう所が共通するかというと、まず家族だけの使う空間、つまり〔寝室、浴室(便所、洗面所を兼ねる)の群〕と、〔その他の室の群〕とをわけることです。
 わが国では、浴室や便所は、中小住宅では普通一つしかありませんが、欧米の場合、これらは寝室の付属物で、裕福な家は、一つの寝室に一つずつ浴室が附属しています。そして、そういう〔寝室、浴室の群〕は二階へあげるのを普通としました。最近、アメリカあたりでは平家建てがはやりだしましたが、以前はあらかたが二階建てで、その二階には寝室と浴室がくっついていました。つまり、二階は家族のためのプライベートな空間だったのです。

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 寝室に浴室の附属する姿、それをわが国で見られるのはホテルの客室です。浴室の内部には、洋風の浴槽、便器、洗面器が組み合せてそなえてある。戸棚は洋服入れ。戸を開けると、スイッチが入って、内に電燈がつく仕掛けになっているから、すこし薄暗い場所だがさしつかえません。
 その奥は寝室で、一対のベットが左手にならび、その奥にはアームチェアのセットがおかれ、壁にそっては、書卓、柚斗(たんす)、化粧机をならべてあります。
 これだけそろっていれば、一応の私生活は間に合うので、もし二人きりの夫婦がこういう家に住んだとしても、それはどの不自由はなく、日本人としては一寸ぜいたくな生活がいとなめるでしょう。もっとも、このプランの中には食事関係の設備が全然ないから、食事はすべて外食ということになりますが、ともかく、こういうプランを見ていると、欧米の人達の寝室に対する考え方をきわめてはっきりとつかむことができるのです。戦後におけるわが国の寝室の独立も、大体この線にそってはいるのですが、建築にあまりお金をかけられない関係から、寝室に浴槽から便器まで附属させる域までには達していません。一応、室内にベットならべ、洋服入れをそなえ、時に化粧机や書卓をおく程度にとどまっています。

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