寝苦しい夏の夜を涼しく過ごすための窓

 寝室の窓は、風と日光が充分入るだけの大きさのものがほしい。昔の人は、夜寝るだけの寝室に窓などいらないという風に考えたらしく、今残っている民家にも、全然窓のない寝部屋がよくあります。しかし、それはいけない。ともかく、人間は昼夜をわかたず水分を発散する動物で、寝室は概して湿気がちだからです。もちろん、寝具も湿気る。だから、いい天気の日には、必ず寝具を干す必要があります。そのためからも、風と日光の充分入る窓がほしいものです。

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 日本の夏は寝苦しい。温度が高いだけでなく、湿度もまた高いからで、そのためには、夜間の風通しを考えないといけません。風通しのためには、やはり風が南から北へ抜けるように、窓を設けるのがよい。そうすると、寝室のプランの中における位置は自然にきまってくるのです。
 夜間、窓から風をいれる方法には次の三つがあります。

 一、ガラリ式の雨戸
 二、無双窓つきの雨戸
 三、網戸
 ガラリ式とは、つまり鎧戸のことで、昔の煉瓦造りの西洋館には、みな鎧戸の開き戸がついていました。戦後、これを日本風の雨戸に利用することが行われはじめました。無双窓は、追い昔から日本で行われている開閉式小窓であり、これもよく風を通す。その両方を使いくらべてみた人の話によると、鎧戸の方は見かけほどよく風が通らず、むしろ無双窓がいいといいます。ただし、無双窓には別の欠点があります。それは、そこから泥棒に腕をつっこまれ、猿をはずされる心配です。そのため、無双窓は猿から追い部分にだけしかとりつけられず、局部的なものになります。
 ガラス戸をあけ、網戸だけたてて寝るのはたしかに涼しいが、それでは泥棒が入って来てしまうので、この場合には、どうしても外側に鉄格子が必要になります。それのさしつかえない窓にはこれはたしかによく、私の家もそうしていますが、ただし、朝早くから明るくなって目が覚めてしまうのに閉口します。網戸の網には、鉄製、ステンレス製、銅製、塩化ビニール製などありますが、鉄製のものは一年たらずで錆びはじめるからやめた方がいいでしょう。
 次に、通風を別の問題として、ガラス窓の遮光についていうと、カーテン、ブラインド、雨戸などがあげられます。カーテンはどんな厚地のものでも、布一枚で光をさえぎることは無理で、やはりカーテン地と暗幕用の黒地の布とあわせにするのがよい。それでもカーテンをひいた四囲から光がもれ、神経質な人はこれだけで目が覚めてしまうらしい。
 遮光用の上げ下げブラインドは非常に有効で、つくり方によっては、その縁の部分からも全然光が漏れない。箱根の某ホテルの客室はこの式だが、結果は非常によい。雨戸は誰も知っていることがらだから省略しておきますが、欠点はそれをとぎすのに手間のかかることす。何枚も戸袋にしまうことをせず、一枚の大型雨戸を横から引けばそれでいい式のものがよい。
 夏の通風とともに気をつけなければいけないのは、その換気です。十畳くらいの広さの寝室なら、特に換気窓の必要はないが、六畳またはそれ以下の広さの和室を寝室にあてるようなときは、必ず換気窓を設けるべきです。そういう窓は、廊下からの出入口の上に欄間としてとるのがよいでしょう。回転窓、引戸、引違戸、なんでもいいが、和室のときは引戸や引違戸がうまくおさまるはずです。子供室には、入口の開き戸の上に回転窓をつけるのが普通である。私は書斎の出入口の上に無双窓をつけてみましたが、これは開閉が楽で、換気の能率もいいように思われます。

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