和式、洋式便器の一得一失

 便器は大きく分けて、洋風の腰掛式と和風の金かくし式とにれかれます。洋風の方は大小共用ですが、和風は別に小使用の朝顔を要する。しかし、今では汽車式と称する大小共用の和風便器が小住宅ではしきりに使われはじめました。
 洋風と和風とどっちがいいか、これは全くその人その人の好みと習慣によります。洋風でないと通じの思うようでない人、またその逆の人など、よくあるものですが、おそらく一寸慣れればどっちでも悪いという事はなくなると思う。私の知合の家に一年ばかりアメリカ人の夫婦が住んでいたことがありますが、日本古来の金かくし式の便所にもかかわらず、全然平気の様子でした。

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 洋風便器の特長はいうまでもなく、腰掛けてするその体位がきわめて自然で楽なこと、随って便通に相当の時間を要する人でも、あまり疲れないこと、大便が水面下に完全に沈むから、臭気が全然ないこと、また、衛生的なこと。欠点は、ともかく便器に肌がさわるのだから、多少の不潔感をともなうこと、また、そのため冬はお尻が冷たいこと。
 和風便器の特長は、ともかく何ものにも肌をふれずに用をたせるから清潔なこと、欠点は、屈む体位が不自然で、ことに太った人には楽でないこと。排水孔の前部にある洗い出し式だと、便器にたまる水が少量のため、大便が水面上に顔を出し、臭気をともなうこと。その意味で衛生的でないこと。また、排水溝のうしろにある洗い落し式は「おつり」がくること。
 和風便器の方は、お尻がじかに便器にくっつくことがないから、冷たくはないが、しかしやはり冬は寒い。これを防ぐため、ぜいたくな人は便所の中にストーブをおいたりしているが、これには電熱ヒーターが即座にあたたかくなって適当です。電灯のスイッチとならべて、ヒーター用のスイッチを設けておくのがよいでしょう。
 汽車式の大小共用便器は室内に高さ25cm程度の段を設け、大便は段の上(奥)で、小便は段の下(手前)で行うものです。私は長年これを用いていますが、普通の和風便器にくらべて、さして不便はありません。
 ただし、小便をするとき、便器の位置が低すぎ、おしっこの先が、横へそれたりすることはあります。しかし、これ以上段を高くしたのでは、それにのぼるのが大儀で、これはこの式の宿命的な欠点かも知れません。
 それと、小便がすんで水を流すとき、フラッシュバルブのハンドルに手がとどかないことです。一度段を上ってハンドルに手をかけなければならない、この辺にこの式の改良の余地があるのではないでしょうか。
 次は、水洗の方式ですが、これには、ハイタンク、ロータンク、フラッシュバルブの三通りがあります。ハイタンクというのはごく普通に使われているもので、天井近くに水槽(シスタン)をおき、それをパイプで便器につないだものです。これの長所は構造が単純で、水の出に異常をきたしたときも、一寸水槽の中をのぞけば簡単にそれを直せること。
 ロータンクは床上にタンクをおいたもので、見た目もよい代りに値段は一寸高い。最初、洋風のみに用いられたが、近頃は和風にも広く使われています。今では、そのタンクの上が手洗器になって、水を流すと自動的に手洗器の水栓から水の出る仕掛けになっています。その水が下のタンクにたまり、水洗の際二度の務めをするわけです。故障の際の水槽の検査はハイタンクより更に楽です。
 フラッシュバルブはタンクを用いず、水道管と便器が直結したもので、タンク式のもののように、一度水を流して、もう一度水を流したいとき、タンクに水のたまるのを待つ必要のないところに特長があります。和風にも洋風にも利用でき、非常に便利だが、引込水道管が相当太くないと使えないこと、水圧が低いと使えないこと、故障しやすくその修理が素人にできないこと、などの欠点があります。ビルディングや病院にはよくつかわれても、住宅にあまり使われないめはこのためです。

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