部屋の集まり

 家とはいろいろの目的をもつ部屋が集合して出来上っているもので、それをどういう秩序のもとに集合させるかがプランの問題なのです。
 プランは古今東西、その時代により、またその地方地方により、実にさまざまのタイプが生れました。日本古来のものは、誰も知るように、畳の部屋を縦横につなぎ、その周囲に縁側を廻すことで出来上っています。

スポンサーリンク

 このプランの特徴は、
 (一) 部屋に寝室とか子供室とかいった特定の性格がないこと。
 (二) 部屋と部屋とが原則的に襖仕切りで、それを開けば総ての部屋が連続してしまうこと。
 (三) 中廊下を設け、それを連絡用の通路にするような方法は稀にしか用いられないこと。
 (四) 開放的で室にプライバシーのないこと。
 西洋古来の住宅は、これに対し、一度その裏返しということができる。つまり、
 (一) 部屋はおのおの、寝室とか子供部屋とかいった特定の性格と使命をもっている。
 (二) 部屋と部屋とは原則的に厚い壁でしきられ、これを連続させる方法のないこと。
 (三) 中廊下を設け、それによって部屋相互間の交通を行うこと。
 (四) 部屋が閉鎖的で、プライバシーを充分にもつこと。
 両者、極端と極端であり、いずれにも長所と欠点があります。和風住宅の最大の特長は、何といっても室に転用性があることで、昼間の客間を夜間の寝室に転用することなど、どこの家でもやっていた。転用のきく結果、僅かな面積の小住宅でも、使いよう一つで、きわめて便利に住みこなせるのです。公団アパートをはじめ、現在の公共アパートのあらかたが畳式を採用しているのは、要するに、一住戸の面積が過小で、転用のきく畳式にしなければ生活に耐えないためだと思います。
 しかし、その一面、部屋にプライバシーを欠くため、家族の各員がそれぞれ自分だけの生活をもつわけにゆかず、家中のものが四六時中、ごちゃごちゃと一緒に生活しなければならないことになります。たった独りの生活を全然もたぬこと、自分の部屋において自分だけの意見をまとめるチャンスの全然ないこと、これは日本人の性格に何か大きな影響を与えていそうな気がします。
 昔は、よく家相ということをいい、どこに浴室をもって行くと大凶だとか、どの方向に玄関をおくと家が栄えるとか、いろいろおかしなことをいったものですが、しかし、プランと、そこに住む家族の運命との間にある関係を発見しようとしている点は注目に価します。家相学はいい加減で出鱈目でも、プランと家族の運命との間に、何も関係がないとはどうもいえないと思います。ただ、その関係は家相学であっさりきめているような単純なものでなく、同じプランでも、家族の性格によって吉になったり、凶になったりすることがあるような気がします。要するに、家と人との相性が大切なのです。

住まい暮らし生活
建設業者をどうやって選ぶか/ 有名な建築家に家の設計を頼むのは得か損か/ 見直されるプレハブ住宅/ 中高層住宅では流産しやすい/ 障害者や老人の住める街づくり/ 家を建てるときに一番気をつけなければならないこと/ 家も住む人とともに成長する/ 家造りは伴侶を選ぶのと同じ/ いい家を造るコツ/ 共通の室、リビングルーム居間/ リビングキッチンのおかげで台所が日の目をみるようになった/ 室内にはこんな配慮がほしい/ 楽しい食事の雰囲気をつくるには/ 台所は家の中の工場/ 台所はどの方位が一番良いか/ 働きよい台所を造るには/ 配膳棚と戸棚の設計/ 寝室の独立は生活の進歩/ 欧米の寝室には浴室がついている/ ダブルベットはこんなときには具合がわるい/ 寝苦しい夏の夜を涼しく過ごすための窓/ 和室の場合の寝室/ 居室の照明/ 便所の眺めは体に作用する/ 和式、洋式便器の一得一失/ 便所の造り/ 子供のための部屋/ 子供部屋の広さと方向/ 子供部屋の室内/ 部屋の集まり/ 家の中廊下/ 日本の風土や生活に適合した家/ 木造と補強コンクリートブロック造の長所と短所/ 鉄筋コンクリート造の長所と短所/ 鉄骨造の長所と短所/ 屋根と外装/ 床と天井/ / 近所の人に土地の住み心地を聞いてみる/ 北下がりの土地は買うべきでない/ 地下水と土質/ 日本の風土に合った昔の家/ 田舎家の夏/ 夏と現代の住まい/ 南側の庇は家造りのポイント/ 冬の住まい/ 住まいの暖房/ 暖気と換気、隙間風の防ぎ方/ 保温と暖房/ 暖房のための熱源/ 都市の中心部から閉め出される独立住宅/ 住宅のアパート化/ 高層住宅での生活/

      copyrght(c).住まい暮らし生活.all rights reserved

スポンサーリンク