木造と補強コンクリートブロック造の長所と短所

 木造は誰も知るような構造ですが、そのなによりの特長は、われわれがその性質を知りぬいていて、これを上手に使いこなせることです。日本古来の木造はいわゆる真壁造といって、柱と柱との間に竹の木舞(たてよこに竹を編んだもの)で下地をつくり、それに土をぬりつけて壁を仕上げますが、こういう家のいいところは、暑さ寒さの受けとめ方がいかにも柔軟な点にあります。それが、日本のように暑さ寒さのさしてきびしくない土地には向いているのです。
 第二の特長は、模様替えの楽な点で、柱を一本ぬき、二室を一室にするというようなことも、それほどの困難なしにできる。これが、他の構造だとそうあっさりゆかない。また、柱に一寸釘を打って柱時計を下げるというような芸当も、木造でなければできないことです。
 第三の特長は肌ざわりのよさ、第四の特長はと数え上げれば、結局われわれの知り抜いていることを羅列することになります。
 欠点は何かというと、第一に燃えやすいこと木材は二六〇度に達すると、もういつ燃え出すか判らない危険な材料です。
 第二に腐りやすいこと。つまり腐朽菌の食物であること。それだけでなく、シロアリにたかられやすいこと。日本の気候だと、初夏の梅雨期から初秋まで、木材の濡れた部分ではつねに腐朽菌が活動していると考えないといけません。
 要するに木造の大欠点はこの二つで、そのうまい防止方法が今のところなかなか見当らない。燃えない木材、これは耐火木材として戦争中随分出廻ったものですが、最近すっかり姿を消してしまったのは、それ相応の欠点があったからだと思います。
 耐朽耐虫の木材、それもないことはない。たとえば、PCP(ペンタクロールフェノール)を注入した木材などがそれですが、これも値段の点や、使いづらいことなどがあって、特別の場合以外は使われません。当分の間、木造は燃えやすく、腐りやすい構造と考えなければ仕様がないようです。

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 補強コンクリート造とは、中空のブロックを積み、その要所要所に鉄筋を通して補強したものです。この長所は、第一に火に燃えないこと。第二は腐らないこと。第三は、鉄筋コンクリート造にくらべては保温力のあること、北海道でブロック造が非常な勢いで普及しはじめているのは、その保温力が大いに物をいっているのです。
 欠点は、第一に雨に弱いこと。軽石を中にまぜた軽量ブロックはもちろんのこと、普通ブロックでもよく雨の水がしみる。近頃発達した防水ブロックだけはいいようですが、これは一寸値段がかさむ。ブロック造の家はできるだけ屋根の軒を出し、壁に雨水のかからない工夫をすることが大切です。
 第二は、木造のようにカラリとした大きな窓のとりにくいこと。ともかく、ブロック造は壁が力をもっている構造だから、窓は小さいほど丈夫な家となります。
 第三は、地震などで万一壁にひびの入ったとき、それを修理する方法のないこと。また、ブロックを下地とした塗り壁は、必ずといっていいほど、ヒビが入ること。
 第四は、ブロック造の壁は、その中に水道管とか電線の入ったチューブ(コンジェットチューブ)を入れることが仲々むずかしいこと。また、木造のようにプランの模様替えの簡単でないこと
 要するにコンクリートブロック造というものはできてから日が浅く、その造り方の工夫がまだ充分でないということができるのです。この構造は、石造や煉瓦造のように積み上げて築いてゆく古来の組積式構造の一つでありながら、鉄筋コンクリート造と同様内部に鉄筋が入っているところが現代的なので、そのために相当の丈夫さをもっています。台風などに大丈夫なのはいうまでもなく、地震も二階建程度ならそれほどの心配はありません。ただ、その造り方に経験が浅いことと、日本人がこれまでこういう厚ぼったい組積式の家に住みなれていないところから、いろいろな問題が生じるのです。

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