壁は大きくわけて人間の手のふれる腰の部分と、手のとどかない小壁の部分にわかれますが、小壁は天井が下へ折れ曲ったような所だから、材料のあつかいも天井に準じると思っていい。だから、壁が壁らしい性質をもたなければいけないのは腰、腰といっても入口のドアの高さぐらいの所までです。
 壁として一番大切な性質は丈夫さで、その点合板類はまことに向いています。合板がベニヤ板の名で日本にあらわれたのは、たしか関東大賞災より前だと思いますが、昔のベニヤ板の困るのはつかってある糊が弱く、湿気をうけるとすぐべらべらはがれてくることでした。現在は耐水性の耐水合板が進出し、それは耐腐性もあって、非常にその用途がひろがってきました。

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 また、最近の合板はその表面処理が非常に上手で、表向にいろいろな木材を張ったり(化粧合板)、天然の木理をプリントしたり(プリント合板)、実に種々様々の仕上げのものが出来ています。合板だけで室内全部を仕上げることも決して不可能ではありません。
 パーティクルボードは、チップした木片を圧縮成型した板で、自由に厚いものの入手できる点に特長があります。特に、丈夫さを必要とする壁に向きますが、これはまた、建具とか階段の段板などにも大分つかわれてきました。
 ハードボード、これもテックスの後裔といえますが、インシュレーションボードとちがい、木繊維を非常な高圧でカンカンに、硬くした板です。特長はべら棒に固いこと、欠点は運がわるいとそづて波をうったりすることです。碁盤目に穴をあけたハンガーボードは、近頃どこの家でも重宝していると思います。
 プラスティックス性のものとしては、メラミン樹脂板がやはり安心してつかえる材料です。昔は、便所とか玄関の腰というと、きまってタイルを使ったものですが、近頃ここにメラミン樹脂板をつかう家があらわれてきました。その他、台所の配膳台とか食器戸棚の台、その他台の表面には実に向く。硬さの充分である以外、梗色の心配も私の経験ではまずない。また、熱に対しても、プラスチックの中でも強い方で、熱いやかんをおいたあとの残るようなこともない。これは新建材の中でのヒットである。メラミン樹脂板は、それを合板にはりつけた製品が住宅では使いやすくていいと思います。
 光を透す壁材料としては、屋根のときにいった強化ポリエステル板の他に、アクリル樹脂板があります。アクリル樹脂板のいいところは、ガラスのように割れないこと、電灯のシェードなどにつかうとき、簡単に自由な形のもののつくれること、悪い点け値段がたかいことと、静電気が帯電しやすく、埃をすいつけること。つまり汚れやすいこと。それから、ガラスよりはやわらかく、長年の使用で傷がつくこと。
 その他、障子紙に似たものに、ガラス繊維をプラスティックスでかためた紙があります。これはただの紙とちがって破れにくく、仲々いいが、一年以上つかっていると鼠色によごれてきます。しかし、これは仲々使える材料です。
 以上、内装外装材料のごく普通のものについてお話しましたが、この他、近頃非常にのびてきたものに断熱材があります。大壁の内側などにそれをはりつけて壁の保温力をたかめるもので、その種類は近頃益々ふえつつあります。その中では、今のところ、発泡ポリスチレン、ガラス綿、岩綿が、値段にくらべて断無力が大きく、つかいやすくていいと思います。
 ただ非常に燃えやすく、引火すると真黒な煙を吐いて、一瞬にして燃えつくす、という危険を内蔵しています。

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