近所の人に土地の住み心地を聞いてみる

 土地の不動産屋は、次から次へといろいろの土地へ案内してくれるものですが、その敷地のよい悪いの判定は、まずそこに立って見た時の気持をしらべることです。敷地の真中に南を向いて立ち、からりといい気持ならばそれはよい土地です。一寸でもうっとうしかったり、圧迫感があったりしたら、おそらく風通しが悪いとか、日が当らないとか、何か欠点がかくれているでしょう。
 不動産屋は商売だから、いろいろと熱心にいいことばかりいい、聞いているうち、何だかその土地が買いたいような気持になるものですが、その際、も一度その第一印象を思いかえしてみることが大切です。

スポンサーリンク

 その次には、できたら、その近所に住む人に住み心地をきいてみることです。一寸見ただけでは判らない長所や欠点がよく隠れているものだからです。ある人が鎌倉の谷戸に敷地をもとめました。南が低く開け、北は高く、東と西は谷戸らしい雑木の山で、冬は日だまりとなっていかにも暖かそうなため、その敷地にきめました。ところが、次の大雨で、西側の山に崖くずれがおこり、敷地の西側の部分を埋めてしまいました。まあ、知らないでその部分に家を建てなかったことが倖せで、やむなく、家を東側にずらせて建てることになった。その土地だけ、ぽつりと残っていたのは、そんな欠点がひそんでいるためでした。
 それからよくだまされるのは、草がぼうぼうと生えている敷地です。こんな所に家が建つかと思うが、さて草を全部刈って見ると、案外いい土地だ。ったりすることがあります。そういう土地は、よほど想像力をはたらかせてみないと本当のことがつかめない。それは髭ぼうぼうの男の人相を鑑定するのに似ています。
 も一つ気をつけなければいけないのは、地境の問題です。どんなにその土地の持主が正直そうな顔をしていても、買う前に、地境の標識をちゃんと見せてもらうことが大切で、図面の上だけで事をきめてはいけません。
 地境の標識には、上に十文字を掘ったコンクリートの角杭を用いるのが普通です。しかし、これが埋立てて整地した分譲地などだと、土がまだぶよぶよしているため、動くことがあります。絶対の信用をおいてはいけません。その杭に従って測量して、その敷地の実際の坪数をはかって見ることが大切です。
 そういうコンクリート製の杭でなく、上に点を一つ彫った石杭や、上に何も彫ってない石の角杭は相当年代をへた古いもので、これは充分信頼するに足ります。
 これは私の親類の家で経験したことですが、軽井沢に地所を買って測量し直したら、隣の家がこっちの地所にはみ出して建っていた。その土地の前の持主が、ながいことそこを見に行かず、ほうっておくうちに。隣の家がはみ出してきてしまっていたのです。これも図面を信用し、その土地を見に行ってもぼんやり見て契約してしまったための失敗です。土地の図面をひろげて見ると、細かい寸法が一杯入っていて、いかにもまことしやかだが、この数字が案外あてにならないことがあるのです。

住まい暮らし生活
建設業者をどうやって選ぶか/ 有名な建築家に家の設計を頼むのは得か損か/ 見直されるプレハブ住宅/ 中高層住宅では流産しやすい/ 障害者や老人の住める街づくり/ 家を建てるときに一番気をつけなければならないこと/ 家も住む人とともに成長する/ 家造りは伴侶を選ぶのと同じ/ いい家を造るコツ/ 共通の室、リビングルーム居間/ リビングキッチンのおかげで台所が日の目をみるようになった/ 室内にはこんな配慮がほしい/ 楽しい食事の雰囲気をつくるには/ 台所は家の中の工場/ 台所はどの方位が一番良いか/ 働きよい台所を造るには/ 配膳棚と戸棚の設計/ 寝室の独立は生活の進歩/ 欧米の寝室には浴室がついている/ ダブルベットはこんなときには具合がわるい/ 寝苦しい夏の夜を涼しく過ごすための窓/ 和室の場合の寝室/ 居室の照明/ 便所の眺めは体に作用する/ 和式、洋式便器の一得一失/ 便所の造り/ 子供のための部屋/ 子供部屋の広さと方向/ 子供部屋の室内/ 部屋の集まり/ 家の中廊下/ 日本の風土や生活に適合した家/ 木造と補強コンクリートブロック造の長所と短所/ 鉄筋コンクリート造の長所と短所/ 鉄骨造の長所と短所/ 屋根と外装/ 床と天井/ / 近所の人に土地の住み心地を聞いてみる/ 北下がりの土地は買うべきでない/ 地下水と土質/ 日本の風土に合った昔の家/ 田舎家の夏/ 夏と現代の住まい/ 南側の庇は家造りのポイント/ 冬の住まい/ 住まいの暖房/ 暖気と換気、隙間風の防ぎ方/ 保温と暖房/ 暖房のための熱源/ 都市の中心部から閉め出される独立住宅/ 住宅のアパート化/ 高層住宅での生活/

      copyrght(c).住まい暮らし生活.all rights reserved

スポンサーリンク