家族に必要な収納スペース

 あなたは、平均的な四人家族の家庭にいったいどのくらいの物があると思いますか。
 ある建築家が調査したデータによりますと、約30坪(99平方メートル)くらいの住宅で、なんと四畳半の部屋の床から天井まで、ぎっしり詰めたくらいあるということです。ただし、これは単純計算で、物を収めた家具の扉の開閉や、引き出しの出し入れのためのスペースを加えると、なんと七畳半の部屋いっぱいということになるのです。
 これを点数にすると、五〇〇〇点にものぼるのです。いまさらながら、わが日本人の物質的な豊かさに驚嘆してしまいます。

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 これらの物を、仮りに部屋に出さないで収納スペースにすべて収めてしまうとすると、どのくらいの収納スペースが必要になるのでしょうか。30坪の住宅で考えますと、間ロ一間(180cm)の押入れが六ヵ所なければ、収まらないことになるのです。現在の住宅で一間の押入れが六ヵ所あるというのは、かなり収納スペースが多いといえます。マンションなどではそんな広いスペースはとても望めません。
 これだけ多くの物を使いやすく収納するためには、やはり物を中心に考えていく他はないのです。スペースにはいくら望んでも限界があります。
 スペース中心に考えた場合、まだ余裕があるとすると「まだ大丈夫、もっと物が買える」ということになりかねません。そして、スペースの限界になるまで、ますます物が増えつづけることになるわけです。何かどこに収まっているのかまったく分からなくなるのもそう先のことではないでしょうか。
 スペースについて考えるときに私が望むのは、たとえ余裕のスペースがあっても、もう限界なのだという感覚を持つことです。スペースの点ではどこにも余裕がないと思い込んでほしいのです。そうすれば、あなたのなかに変化が起こるはずです。物を考えざるをえないという変化です。
 新しく物を買うことが簡単ではなくなるにちがいありません。なぜなら、買ったものを収めるスペースがどこにもないのですから。そして、あなたはこう考えるようになるはずです。新しく物を買うためには、今ある物のうち何かを処分しなければならない。買おうとしている物は何かを処分してまで求める程、はたして必要な物なのだろうかと思います。
 もちろん、これは考え方の上でのことです。収納スペースが限界であっても、新しく物を買ってしまえば何とかなるものかも知れません。また、生活空間を少し狭めれば、それで解決する問題なのかも知れません。
 しかし、考え方の上でだけでも、ほんとうに必要な物かどうかを見定めてから買うという心構えでいてほしいのです。スペースの余裕はいずれ埋まってしまうものだということを知らなければいけません。
 同時に現在ある物についても、何か必要なものなのか、何かそれほど必要ではない物なのかを、はっきりとつかんでおくことが必要です。収納を考える上でそれが一番大切なことです。

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