家具と床面積の割合

 私は仕事柄いろいろな家庭におじゃましますが、どこの家庭でもまず最初に感じるのは、非常に物が多いということです。
 これはもう例外なしに感じています。物が少ない家庭は日本にはないのでしょうか。それ程多い物のなかには、ほとんど使わない無駄な物もあるはずです。
 家と家具との数字的なパーセンテージについていいますと、家具は家の総床面積の25パーセントで押えるのが理想とされています。
 しかし、現在の日本の家庭を見ると、残念ながらまったくその数字とはかけ離れているといわねばなりません。
 平均すれば50パーセント以上を家具が占めているのではないでしょうか。
 スペースのことを考えないで物を増やしてしまうという、収納スペース(家具)と物との考え方は、家全体を収納スペースと考えたとき、家と家具との関係にみごとにスライドしているといえるでしょう。これでは上手な収納ができるはずがありません。
 良い物を必要なだけ買って、長持ちさせるという考え方が、物に対する一般的な思想になるまでには、まだ時間がかかりそうです。しかし、そうならなければ上手な収納もまた、完成されないのです。
 そのためには、まずあなたからはじめる以外に道はありません。

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 各部屋ごとに物の点検をすることは、どんな意味を持っているのでしょうか。それをまとめてみましょう。
 まず、わが家にいったいどれだけの物があるのかが正確に分かります。これは収納を考える上での原点です。物中心の収納を実行するためには、物についてできるだけ詳しいデータが必要になるのです。
 それには点検することしかありません。あるのを忘れていた物、しまった場所が分からなかった物、そのすべてをリストアップすることが大切です。
 使えなくなっていた物を、使えるようにできるというのも、点検がもたらす大きな意味です。
 どんな物でも買うときには必要性があるはずです。でも、収納方法が悪いために、どこにあるか分からなくなってしまったり、出すのが面倒だったりして使えなくなってしまっているのです。いわば、死蔵されてしまっているそれらの物を、今度は使いやすい場所に収納することで、使えるようにできるわけです。この死蔵品に生命を与えるためには、点検がぜひとも必要なのです。
 また、物を必要性の度合によってランク分けすることもできます。最も必要な物から、いつか必要になるかもしれない物までランク分けができれば、自然に収納場所も決まってくることになります。出しやすい場所から、必要度の順番に収納していけばよいのですから。
 まず、衣類から点検してみましょう。収納の悩みということでは衣類は食器と双璧、収まりきらない家庭が多いようです。ひとつひとつ点検してみれば分かることですが、その原因はやはり不要な物がまだまだたくさんあるということに尽きるようです。
 一年の間、一度も袖を通さなかった、という衣類も一着や二者はあるのではないでしょうか。
 特に衣類は買いやすいのかもしれません。いい換えれば、主婦にとっていちばん衝動買いの対象になりやすいのが、衣類なのです。
 ちょっと柄が気に入ったから、好みのデザインだったから、などと感じて、すぐ買ってしまった結果、必要以上の衣装持ちになってしまうのではないでしょうか。そんなふうにして買った物は、決っしていつまでも飽きがこないで着続けることはできないものです。袖を通さないことはおろか、季節によって収納場所の入れ替えさえもされず、一年中収納スペースの輿深くしまい込まれてしまうのです。
 そして、やがては自分が気に入って買った物であるのに、そんな衣類があったことも忘れてしまうのです。
 しかし、いくら頭のなかで忘れてしまっても、その衣類が現実に消えてしまうわけではありません。ある程度の収納スペースはいつまでも占めつづけることになります。そして、衣類の収納スペースがなくて困ったと嘆く結果になってしまうのです。
 解決策は考え方の転換ということになるのではないでしょうか。つまり、衝動買いをひかえ、計画的な買い方をすることです。
 四季のおしゃれのための基本になる物をまずいくつか揃え、それと組み合わせられる物を、さらに買い足していくプランニングをすれば、無駄もなくおしゃれも楽しめるのではないでしょうか。
 パリジェンヌ達は、誰でも自分の色を持っているといいます。自分がいちばん好きで、しかも最も魅力的に装える基本の色をよく知っているのです。そして、衣類を買うときもその基本をしっかり踏まえた買い方をするのです。
 ですから、持っている衣類がどれとも組み合わせることができ、一着の衣類で何通りものおしゃれができるというわけです。パリ・コレクションなら何でも受け入れてしまうのではなく、彼女達のそんなおしゃれに対する考え方、感覚をこそ学びたいものです。
 洋服タンスを開けたら、ありとあらゆる色が目に飛び込んできて、まるでパステルのふたを開いたときのような幻惑を感じたりするようでは、ほんもののおしゃれとはいえない気がします。

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