収納と分類

 物をどのように分類するか、その分類の上手、下手が使いやすさに関連してきますし、ひいては収納の上手、下手にもつながってくるわけですから、分類は大切なテーマです。
 物にはさまざまな形があります。それを収納スペースのなかに、区別なく収めてしまったのでは大変です。
 スペースの無駄も出てきますし、使うときに出す手間もかかります。そこで分類が必要になってくるわけです。物を性質によって分類し、同じ性質の物をひとつのスペースのなかに収めるというように考えるのです。
 さて、その分類法ですが、どの方法が正しいとはいえないのです。
 各人が自分自身で考え、分類する他はありません。ただし、そのときにも使いやすさを第一に考えるのを忘れてはいけません。ですから、私がここで説明することは、あなたが分類を考えるうえでのヒントだと思ってください。
 物を分類するときにまず考えられるのは、その物がはじめから持っている性質です。
 鉛筆は書くためのもの、ソファーは座るためのもの、というのがそれです。最も基本的に、そういった物がはじめから持っている性質で分類してみたとします。
 鉛筆は書く物だ、書く物、つまり筆記用具と一緒に分類しよう。どこに収納するか、目的の場所だ、書く目的の場所、ライティングデスクの引き出しのなかに入れよう。すべての筆記用具はライティングデスクの引き出しの中へ。
 だいたいそういうことになるのではないでしょうか。さて、果たしてこの分類、収納はベストでしょうか。

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 居間の電話のベルが鳴ります。「○○さんいらっしゃいますか」「あいにく只今外出しておりますが」「では、伝言をお願いします」「かしこまりました。」とは言ったものの、電話の周囲のどこを探しても、鉛筆は見つかりません。それもそのはず、鉛筆をはじめ筆記用具すべてはライティングデスクの引き出しのなかに、きちんと収まっているのですから。
 物がはじめから持っている性質によって分類し目的の場所に収納した結果の失敗です。こんなことはふつうまず考えられませんが、杓子定規に物の性質だけで分類すると、こういう事態も起こりうるのだということは、知らねばなりません。
 あなたの家庭では、家計簿をつけるのに主に鉛筆を使うのであれば、鉛筆は家計簿と一緒に分類するのが望ましいのです。
 分類はその家庭のなかで考えなければならないというのは、そういうことなのです。
 つまり、物を誰が、どこで、どのように使うか、その使い方で分類するということです。とはいっても、それはなかなか一朝一タでできることではありません。かなり根気のいる作業ですが、途中で投げ出さないようにしてください。
 特に食器、調理器具を分類するのは大変のようです。鍋、フライパン、やかんなどにはそれぞれ用途があります。そして調理の方法にもだいたい決まったやり方があります。
 オムレツを作るには卵とフライパンが必要ですし、物をゆでるには鍋がいちばん便利という具合に。しかし、料理の手順となると個人個人でかなり違ってくるのではないでしょうか。
 同じゆで物をするにも、ひとつの物をゆでたあと、次々に何種類かをゆでる人もいれば、ひとつをゆでて、次にそれを水にさらすなりなんなりして完成してしまってから、次の物をゆでる人もいるでしょう。どの主婦も少なからず、他人とは違った独自の料理の手順を持っているはずです。
 このように、主婦の数と同じだけ料理の手順があるとすると、調理器具、食器の分類も各人で違ってくるのが当然ということになります。
 自分自身の手順、動き方に合った分類の仕方が、その人にとってのベストという以外にはありません。ですから、料理の手順をはじめ、自分自身の生活のなかの動き方、生活のしかたを正しく認識することが、上手な分類、上手な収納のためにはぜひ必要なことです。毎日の生活ぶりを考えないところには、上手な収納などあり得ないということを、しっかり胸に刻み込んでおきましょう。

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