玄関の収納

 玄関に収納する物は何でしょうか。いうまでもなく履物です。そして傘もそうでです。どの家庭でもこの二つは玄関に収納されているのがふつうです。しかし、もっとほかに玄関に収納されるべき物、いいかえれば、玄関に収納されているのがいちばん使い勝手がいい物はないでしょうか。
 ゴルフバック、コート類はどうでしょうか。 私はこの二つとも玄関に収納した方がいいと考えています。
 さて、ちょっとあげてみただけでもかなりの物を収納しなければならないようです。それほど広くはない玄関のスペースに、これだけの物を収納するのは難しそうです。すばらしいアイディアをひねりださなければ、というところでしょうか。
 全体的な玄関の収納を考える前に、まず最も基本的な履物の収納を考えてみましょう。履物を収納するのはげた箱だと思いこんでいるのではないでしょうか。

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 備えつけや市販されているげた箱に、家族全員の履物が収納できるでしょうか。あなたの家庭のことを考えてみてください。とうてい無理なのではありませんか。
 私が今までに取材やアドバイスで伺った家庭で、家族全員の履物がすべて、げた箱に収納できていたところはほとんどありません。
 足もとのおしゃれを楽しむ女性が増えてきた現代では、それは当然のことなのです。シーズンによって素材や色、スタイルなどが微妙に変わってくるのが女性の靴なのですから、数が増えるのはしかたがないことなのかもしれません。
 では、げた箱に収納しきれないはきものはどうしているのでしょう。
 季節が変わると、それまではいていた靴を陰干しして、きれいにみがき、紙に包んだり箱に入れたりして、押入れや天袋など玄関以外の場所にしまっておくのではありませんか。これが現在、たいていの家庭で行なわれている、一般的な履物の収納なのです。
 げた箱は、その季節にはく靴だけでいっぱいというわけです。
 何かいい方法はないものでしょうか。収納スペースを多くすれば、みんな収まるのだけれど、玄関は狭いし。という声が聞こえます。
 たしかに日本の住まいの玄関は狭いものです。しかし、収納スペースを多くすることはできないことではありません。
 げた箱を二つも三つも横に並べることはできなくても、縦にスペースを増やす、つまりスペースを積み上げる(立体的に考える)ことはできるはずです。
 いままでのげた箱の幅はそのままにして、高さをもっと高くすることを考えましょう。いわば垂直思考というところです。
 床から天井までを収納スペースにしてしまえば、あっさり解決するのではないでしょうか。
 それだけの高さがあれば、収納量はぐっと増えますから、家族全員の履物はもちろんのこと、ゴルフバックも、玄関に置いた方が便利なコート類も完全に収まってしまうはずです。
 しかし、玄関の作りによっては床から天井まで収納スペースにするのが無理な場合もあります。その場合には、可能な範囲で高くすることを考えてください。180cmくらい高さがあれば、履物や傘、スポーツ用品はもちろん、コート類まで充分収納できるのですから。
 収納という点では、これですべてが解決したことになりますが、少しばかり問題がなくもありません。どこかからこんな声が聞こえてきます。
 床から天井まで収納にしてしまったら、圧迫感があるんじゃないのかしら。ただでさえ狭い玄関なのに、よけい狭く感じるのでは。
 もっともな意見です。私達がいま考えている収納は、ただ物が収まってしまえばそれでいいというものではないはずです。
 それによって圧迫感を感じたり、生活しにくくなったりしたのでは、意味がありません。もうひと工夫しなければならないようです。
 圧迫感という点については、収納スペースの色である程度カバーできると思います。
 床から天井までが収納スペースで、しかも、それがダーク系の色だとしたら、誰でもかなりの圧迫感を感じてしまいます。
 しかし、白やベージュなどのやわらかい色ならば、それほど圧迫感を感じることはありません。また、壁の色と同じにしても、圧迫感は緩和されると思います。
 つまり 玄関全体の色調に合わせたやわらかい色を、収納スペースに使うのが失敗しないコツといえます。
 日本人の感覚では、玄関は住まいの顔とみなす風潮があるようです。どこの家庭でも玄関に花が飾ってあったり、絵がかかっていたりするのは、その証拠ではないでしょうか。
 来客がまず最初に眼にする玄関を、美しく飾っておきたいという心は大切にしたいものです。この点でも、床から天井までを収納スペースにしてしまうことには、問題がありそうです。
 解決策を考えましょう。それには飾るためのスペースを空ければいいのです。
 床から従来のげた箱くらいの高さまでをひとつの収納スペースにし、中間を少し空けて、天井までを吊り戸棚ふうの収納スペースにしてはどうでしょう。そうすれば、玄関に物を飾りたいという願いが叶えられるのではありませんか。しかし、今度はコート類の場所がなくなってしまいます。
 それにはこんな方法があります。収納スペースは床から天井まで続いたものにして、チェストなどを利用するのです。収納スペースの向かい側にでも、小さなしゃれたチェストを置いて、その上に花を飾るというふうに。あるいはすてきな椅子を使ってもいいでしょう。
 絵を飾るのでしたら、収納スペースを把手のないものにして、壁のような感じにしておけば、その上に飾ってもおかしくないと思います。要はあなたの演出次第なのです。玄関を飾る物は、げた箱の上に置くという常識を打ち破り、あなたのオリジナリティを発揮してほしいものです。

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