居間の収納

 居間の収納について考えてみましょう。家族がくつろぐのが目的である居間は、ちょっと考えると収納の必要がないような気がします。ところが現実には、どの家庭でもいろいろな物が置かれているのではありませんか。いちばんポピュラーなのがサイドボードです。サイドボードがない家庭はないくらい、完全に必需品になっている感があります。そして、そのなかにはティーセット、ボトル、グラス類などが収まっているわけです。
 居間の収納を考える時に、まずしなければならないのは、その居間がどんな性格を持っているかを見極めることです。居間とひとくちにいってもそれぞれの家庭によって、使われ方に大きな差があると思います。
 居間を応接間兼用にしている家庭もあれば、ただ家族のためだけ、いわば茶の間として使っている家庭もあるでしょう。これらの使用目的の違いは、そのまま収納する物の違いとなって表われてくることになります。ですから、居間をどんな目的で使っているかが分からなければ、上手な収納法も考えられないということになります。

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 それではまず、居間を家庭のだんらんの場として使っている場合の収納について考えることにしましょう。家族のだんらんの場であるということは、家族のひとりひとりが、自分の好きなことができる生活空間であるということです。いいかえれば、ひとりひとりの趣味にかかわる物が居間に収納されることになるはずです。
 音楽が好きな人は、居間でステレオを間くことになるでしょうし、読書が趣味なら本を居間に置くことになるでしょう。釣道具やゴルフクラブの手入れをするのが楽しみの人もいるはずです。
 こうして、ステレオ、書棚、釣道具、ゴルフクラブなどが、続々と居間に運び込まれることになります。
 さて、これらのかなりボリュームのある物を上手に収納しなければならないとなると、工夫とアイディアが必要になってきます。
 基本的に踏まえておかなければならないことは飾りの要素よりは、実用を重んじた収納を行なうということです。決して少なくない物を収納しなければならないのですから、見せる収納はひとまず保留して、実用的な収納を考えなければなりません。
 ひとつの方法は、壁一面をすべて収納スペースにしてしまうことです。そして、そのなかにテレビ、ステレオはもちろん、暖房器具なども全部収納してしまうのです。そうすると、居間全体がすっきりした感じになり、空間的にも広く感じるようになるでしょう。
 雑然と物が置かれているよりも、収納スペースにきちんと収まっている方が物理的にも精神的にも好ましいことはいうまでもありません。
 さらにすっきりと収納したいのでしたら、収納家具を揃えることです。
 システム家具、ユニット家具などを利用して、すべて同じ収納家具にしてしまえば、一層効果的な収納ができるのではないでしょうか。
 同じ奥行き、同じ色調の収納家具なら、壁全体に置かれていても決して違和感はありませんし、美的な面でもデメリットにはならないはずです。
 ただし、居間に壁面が一箇所だけの場合は、この方法は無理のようです。居間にはリビングセットがあるのがふつうで、居間を広く使うためには、リビングセ。トの椅子の背を、壁にぴったりつけて置くことになります。
 しかし、ひとつしかない壁面を収納スペースにしてしまうと、リビングセットを中心へ寄せなければならなくなってしまいます。これでは空間的にかなりのマイナスになります。
 また、居間のスペースがそれ程広くない場合は高い収納家具は禁物です。
 狭い部屋に床から天井までの家具が、壁全体にあったとしたらどうでしょう。とても圧迫感を感じてしまいます。さらに不安定な感じもするのではありませんか。
 そのような場合は、できるだけ間口が広く、高さが低い収納を考えることです。その方が、部屋全体がゆったりと落ち着いた感じになるものなのです。
 和風の居間の場合には、この。間口を広く、高さを低くという原則が、さらに大切になります。
 和風では畳の上に座るわけですから、高い茶タンスから受ける圧迫感は倍加します。したがって、低い収納家具をいくつか置くのがポイントになります。
 話が少し前後しますが、先程述べた収納家具を同じ物に揃えることのメリットについて、もう少しつけ加えておきたいと思います。
 現在市販されているテレビ、ステレオなどは、デザイン的に凝ったものが多いようです。カラフルなもの、木目仕上げのもの等々。それ自体はメーカーの研究のたまものでしょうし、悪いとはいえないのですが、調和のとれた収納を考える場合には、ちょっと困りものです。
 まっ白なステレオと木目模様のテレビが同じ部屋に置かれているとしたら、どうでしょう。お互いがデザインのすばらしさを競い合って、全体の調和を乱しかねません。
 そんなときに統一された収納スペースが大変効果を発揮するのです。ステレオもテレビも、収納スペースの中へすっぽりと収めてしまえば、見事に調和を取り戻すことになります。この意味でも揃った収納家具に収めることが理想的だといえるのです。
 さて、今度は居間を応接間兼用に使う場合を考えましょう。
 この場合は、見せる要素を持った収納ということがメインテーマになります。ただ収納すればよいというのではなく、見せるための演出をしてほしいものです。
 収納家具の一部を扉のないものにしたり、ガラス戸のものにしたりして、そのなかには飾りとして通用する物を収めるのです。美しいグラス、すばらしいデザインのコーヒーカップなどなら、充分飾りとしての役割も果たしてくれるのではないでしょうか。
 収納プラス飾りという考え方が大切です。
 北欧では、銀製のティーセットなどをこの方法で収納しているようです。来客があると、ピカピカにみがいてあるティーポットを棚から取り出して、お茶をもてなし、帰ったあとはまた棚に戻してひとつのルームアクセサリーにするというわけです。
 こんな合理性はぜひ見習いたいものです。どの家庭にも飾りになって、実用としても使えるという物が必ずあるはずです。それをルームアクセサリーとして、見せる収納にしてはいかがでしょうか。
 女性は元来、部屋を飾るのが好きなものです。ですから気に入ったルームアクセサリーを衝動的に買ってしまいがちです。それは不経済であるだけではなく、結局は使わない物が増えることにもつながります。
 今日からは頭を切りかえて、実用品をルームアクセサリーとして利用することにしてはいかがでしょうか。

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