食器棚の収納

 食器棚の収納について考えてみましょう。食器棚は現在あるものを利用するのか、新しく購入するのかによって、当然、ポイントが違ってきます。
 まず現在ある食器棚の収納について述べることにしましょう。
 奥行きがどのくらいあるかが、食器棚の収納を考えるうえでは大切です。かなり奥行きがあるものの場合は、どうしても何列かに渡って食器を収納することになってしまいます。
 すると、どうしても奥の物が出しにくいという問題が起こってきます。何か出しやすくする工夫をしなければなりません。
 どうすれば奥の物が取り出しやすくなるでしょうか。それを考えるとき、奥の物にばかり注意を集中していたのでは、よいアイディアは生まれません。奥の物が出しにくいのはなぜかを考えてみましょう。

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 実際に奥に収納してある物を取り出す場面を想像してください。目的の食器は奥です。前には何種類かの食器が積み重ねられています。前の物をひとつずつ取り出していって、やっと目的の食器が出せるわけです。さあ、問題はどこにあるでしょうか。奥の食器が取り出しにくいのは、前にあるものをひとつずつ出さなければならないからではありませんか。
 問題は、前に積み重ねられた食器の方にあるのです。もし、前にある食器が簡単に取り出せるとしたら、必然的に奥の食器を取り出す面倒くささもなくなるのではないでしょうか。
 ここまで考えてくれば、卓抜なアイディアにたどりつくのももう少しです。前に積み重ねられた食器を、すばやく簡単に取り出す方法を考え出せばいいのですから。
 解決の糸口を探しましょう。来客があって、客間にお茶や食事を運ぶ時のことを思い浮かべてください。あなたは、台所からお茶、お茶菓子などをひとつずつ運びますか。そうではなく、まとめてトレイの上に乗せ、一度に運んでしまうのではありませんか。ヒントはこのあたりにありそうです。
 プラスティックやステンレスのトレイを利用すれば、一度に物が移動できるのです。
 食器棚の前に収納してある食器を、トレイの上に乗せたらどうでしょうか。奥の食器を取り出したい時に、トレイごと、一度の手間で前の食器が出せるのではありませんか。ひとつずつ取り出す必要はなくなります。
 この収納方法なら、何列かに食器を収納してあっても、それ程不便を感じないですみます。持っている食器を料理に合わせて、フルに使うこともできそうです。
 もちろん、使う頻度の多い物を前に収納することは、いうまでもありません。
 奥行きの浅い食器棚は、広いものに比べてずっと使いやすくなります。しかし、さらに使いやすくする工夫を怠ってしまっては、収納上手な主婦の名折れです。少しでもベターな方法を考えてこそ、その名に恥じないというものです。
 奥行きの浅い食器棚の場合、ポイントは棚板になります。
 棚板と棚板の間隔はできるだけつまっている方が使いやすいのです。あなたの家庭の食器棚の棚板の間隔があまり離れているようなら、何かの工夫が必要です。
 自由に移動できるようにするか、棚板の数を増加するかしてみてはいかがでしょうか。間隔が広いと、どうしても何種類かの食器を重ねて収納することになります。
 これでは、いちばん下の食器は使わなくなる可能性が大きいのではないでしょうか。
 テーマはちょっとそれますが、食器を積み重ねて収納してある場合、どんな食器がいちばん使われにくくなると思いますか。頭の体操のつもりで考えてみてください。
 大きな食器ほど使われにくくなるというのが答えです。理由がお分かりですか。食器を積み重ねる場合、何を考えるでしょう。まず第一に安定性ということです。その結果、大きな食器から順に重ねていくことになります。ですから大きな食器はいちばん下になり、ますます使われなくなるというわけです。
 逆に考えれば、棚板の間隔が狭く、種類ごとの食器が重ねられずに収納されていれば、どの食器も使いたいときに使えるのです。
 奥行きが浅い食器棚はそれ自体、機能的なメリットを持っているのですから、もう一歩進んで新しいメリットを付け加えてほしいものです。水平のメリットに垂直のメリットを加えましょう。
 食器棚の扉は、ふつうガラスの部分と、そうでない部分とがあります。これは意味のないことではないのです。つまりガラスの部分は、実用一辺倒の収納ではなく、見せる収納をするようになっているのです。
 しかし、実際はそんなことには頓着せず、ガラスの部分も、そうでない部分と同様に、ぎっしりと食器を詰め込んでいることが多いようです。これでは食器棚を100%生かしているとはいえません。
 ガラスの部分には、美しい食器をある程度空間を生かして収納することを考えましょう。何もそのための食器を新しく買い求める必要はありません。飾りになるような工夫をすればいいのです。
 例えばコーヒーカップ。いままでカップはカップで重ね、ソーサーはソーサーで重ねていたのであれば、一組ずつ組み合わせて収納するようにするだけで、飾りとして充分通用するのではないでしょうか。銀のスプーンでもそえれば、もうそれだけで完璧です。
 スペースがあれば、今述べたように収納法を変えることもできますが、スペースのない場合には無理かもしれません。
 そんなときは、カップを掛ける方法もあります。食器棚を少し傷つけることになりますが、なかの板にフックを取り付け、それにカップを掛けてはどうでしょう。重ねてあるものに比べれば、ずっとデコレイティブになるはずです。
 このように、ほんのちょっとの工夫で、食器棚を充分に生かすことができるのです。独創的な収納法を考えてみるのも楽しいものでしょう。
 いずれにしても、食器が出しやすいことと、使いやすいことが原則です。
 新しく食器棚を購入するときのポイントについて述べることにしましょう。
 いちばん大切なことは、収納する食器をしっかり把握していることです。つまり、どの種類のものを、どれくらい収納する必要があるかを、正確に知っておくことです。
 特に最大の食器と最多の食器の重ねた時の寸法は重要です。いちばん大きな食器は何mか、使う頻度がいちばん多い、メインになる食器は何cmかを測っておきましょう。
 以上が食器棚を選ぶときの前提になります。そして、実際に選ぶときには、メインになる食器に合わせて食器棚を選ぶのです。
 いちばん多い食器は、いわばその家庭の食器の中心です。中心になる物が収納しやすいように考えるのは当然です。もし、いちばん大きい食器に合わせて選んだとしたらどうでしょうか。たしかにその食器はうまく収まるでしょうが、メインになる食器にとっては、スペースが広すぎます。
 その結果、二列あるいは三列に渡って収納しなければならなくなってしまいます。
 多数派を中心に考え、少数派である大皿や小皿はアイディアでうまく収納するようにしましょう。
 食器棚からはみ出してしまった大皿の収納場所を見つけなければなりません。おそらくどの家庭でも大皿の数は、それほど多くはないでしょう。一枚〜二枚というところではないでしょうか。これならばどこへでも収納できそうですね。少し考えてみましょう。
 第一候補としてあげられるのは、厨房セットの下の扉です。厨房セットならば、かなりの大皿でも一〜二枚なら充分収まるはずです。
 また、少し発想法を変えて飾り皿として飾って(収納して)おくというのはどうでしょう。飾り皿の台をいくつか用意して、食堂や居間に飾るのもしゃれたものです。使うときにはサッと洗えばいいわけですから、まさに趣味と実益を兼ねた収納法とはいえないでしょうか。
 食器棚選びのもうひとつのポイントとして棚板が自由に移動でき、しかもつけたすことができるものであるかどうかも、忘れずにチェックしましょう。
 もうすでに、メインになる食器の数も大きさも分かっているのですから、棚板がどの位置にあるのがいいか、また何枚余分な棚をつけたせばいいのかは分かるはずです。
 そうして選んだ食器棚なら、手持ちの食器を少しの無駄もなく収納できて、まるで注文品のようにあなたの意に叶ったものになるに違いありません。

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