瑕疵担保の期間

 担保という言葉もわかりにくい言葉ですが、いまは保証というような意味で話を進めていきます。
 住宅の売主が住宅の瑕疵について保証する期間すなわち担保期間は、民法第五七〇条および第五六六条三項に出ております。これには瑕疵を発見してから一年以内に、契約の解除または損害賠償の請求をすることとなっています。
 ただし、特別の契約で担保期間を延長または短縮したり、また第五七二条では売主は責任を負わなくともよいという特約もできることになっています。
 しかし、宅地建物取引業者が建売住宅等を売買する時は、購入者保護のため宅地建物取引業法で規制があります。すなわち同法第四〇条では瑕疵担保期間を引渡しの日から二年より短くして、購入者に不利な特約をした場合は無効とすることにしています。

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 請負工事でできた住宅の、瑕疵担保の責任が存続する期間はどのくらいでしょうか。
 民法では請負に関して、建物および土地の工作物の請負の場合は第六三八条によって、木造の建物では五年間、コンクリート造や鉄骨造りの建物では一〇年間としています。しかし第六三九条で担保の期間を普通の時効の期間、すなわち一〇年まで伸長することができることになっています。したがって特別に契約をする時は、木造住宅でも担保の期間を一〇年までなら伸長することが可能だということです。
 ここでもう一度工事請負契約書を見て下さい。現実にはたいていの場合、瑕疵担保期間を木造住宅では一年間、コンクリート造りや鉄骨造りでは二年間としています。後からいうのは手遅れの感がありますが、契約の時にもう少し長く決めておいた方が有利なことはいうまでもありません。
 また、業者によっては、建売住宅と同様な保証の期間を定めた契約もあるようです。
 民法には建売住宅の瑕疵を補修するように書いた条文は見当りません。しかし宅地建物取引業法第三七条第一項一一号には、瑕疵担保責任について特別の定めがあれば契約の時に関係者に書面で示すようにとあります。ということは宅地建物取引業者は特別の契約があれば、瑕疵の補修工事を行なう場合があるということです。
 建売住宅を受取る時には、保証書をもらうのが今日では普通です。その保証書には業者がその後引受ける故障の内容や、期間や申し込みを受けつける窓口等 が書いてあります。と同時にアフターサービスエ事の規準を記載してあります。いわば、瑕疵担保とアフターサービス工事は規定された期間、両者同時に進行しているといってよいでしょう。
 前にものべたように、瑕疵の判定はなかなかむずかしいものがあります。瑕疵であるか、自然の変化であるか、原因までさかのぼってみますと区別がますますつかなくなることがたびたび起ってきます。そこで、それら判定のつかない状態を一括して、それを一定の規準を定めて補修工事を行なうというのが、アフターサービスの考え方なのです。
 ただアフターサービスの規準は業者が自主的に規定したものですから、補修工事が不可能だったり、工事をすることで購入者が不利になる時は、瑕疵の担保責任としての損害賠償や契約解除等の方法によることもありうるわけです。
 請負工事の住宅の場合、第六三四条には注文主は工事請負者に、補修を請求することができることなっています。ただ、その瑕疵が重要でなくしかも過分の費用がかかる時は、補修にかえて損害の賠償を請求するようにとあります。
 今日では故障個所を補修する技術が進歩していて、たいていのものは体裁よく直せます。それがわずかな故障の場合、それを直すのに他の部分を毀したり組替えたりして、住宅の構造や機能そのものに悪い影響を与えるようなことでは好ましくありません。そのような時はそれが瑕疵であれば補修にかえて損害賠償を請求することができ、またその方が有利なこともあります。ただ第六三五条の但書によりますと、重大な瑕疵がある場合でも契約の解除はできないことになっています。この場合は補修または損害賠償の請求をするよりほかはありません。
 最近では工事請負者でも建売薬と同じようなアフターサービス規約を用意していて、具体的な補修内容を示している場合も多くなりましたので、故障を発見したら先ず相談してみるのがよいでしょう。

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