基礎の故障と補修工事

 基礎に現われる故障は、たいてい亀裂といった現象でみられます。一番構造的に弱い、換気孔や配管の通っている穴附近に出るのが多くあります。そして一個所にみられると、反対側とか少し離れた所にも見られる場合があります。
 亀裂が見られない場合でも、基礎全体が沈下していることがあります。建物の周囲となんとな く異和が感じられ、外階段とか他の構造物との開に隙が見られることがあります。基礎の変化の影響は当然建物の、特に床や柱等に現われます。基礎が深い所の固い地盤に届いていたり、杭や束が立ててある場合は、表面の盛土の地盤だけが下って、基礎が浮き上って見えることがあります。給排水管やガス管等に歪が生じて、漏水や ガス漏れのおそれがあります。敷地が傾斜している場合、換気孔が地盤より低くなり雨水が浸入したり、逆にフーチングが露出している所があります。

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 モルタル仕上げの亀裂 - モルタル塗りの仕上げはよく亀裂が出ることかあります。この場合は床下に入って、裏側から基礎のコンクリート本体を調べて見ます。本体のコンクリート自体に亀裂があって、それが外側のモルタルに現われていることもあるからです。
 床下の基礎に亀裂がなければもちろん安心ですが、コンクリート打ちの後よく硬化しない内に仮枠を外したり、配管を通す穴をコンクリート打ちの前に用意しないで、あとからあけて衝撃を与えた時などに、多少の亀裂が入ることかあります。この亀裂は長時間様子を見てその進行の有無を調べて下さい。
 不同沈下による亀裂 - 基礎のコンクリート本体の亀裂で地盤の沈下によって起るものは、前にのべた換気孔の角や配管の穴附近およびコンクリート打ちの不良個所等に現われます。床下より点検して内側にもある場合、亀裂と他の個所の亀裂を結んで線を引いて見ますと、その線を境に基礎全般に変化が見られたり、外壁や開口部等に影響が表われていることがあります。
 これは地盤の状態がそこを境に変っている場合に起ります。盛土してまもない土地や、雛段式の造成地で切土と盛土の境などに起りがちです。
 亀裂を発見した場合 - 亀裂を発見したらその本数や幅および長さ等を記録しておき、長時間かけて進行具合を確認します。特に大雨の後や地震の後には注意して観察して下さい。少しでも割れの幅がひろがったり長さが長くなった時は、専門家に相談した方がよいでしょう。
 建物の沈下 - 田園や沼地などを埋立てた土地は敷地全体が徐々に沈んでいって、落着くまでに長い月日を要します。そのような敷地では基礎に鉄筋を入れて補強したりベダ基礎にしてあるので、コンクリートに割れが現われることなく全休に沈下したり、時には建物全休が傾いたりすることがあります。
 屋内から屋外に出る排水管の流れ方や、給水管やガス管の継手の外れ等に注意して下さい。
 地盤の沈下 - 杭を打ってある基礎は、基礎はそのままで、廻りの地盤や床下の地盤が下ることがあります。建物の床の歪みや揺れなどが現われることかあるので、床下を調べて見て下さい。なおこれについてはのちの項を参照下さい。
 附近の工事の影響 - 近所で大きなビルの工事や土木工事があった時は、大量の地下水の汲み上げによって地盤が沈むことがあり、前述のような現象が現われることがあります。
 沈下の測定 - 近くのしっかりしたビルや構造物に標準をとり、測定器で沈下の深さや傾きを測っておきます。ただしこれは器具や技術を要するので、技術者に頼むより外はありません。

 最近は建物の竣工後地中の基礎の状態を掘削して調べる方が多くなりましたが、次のことを留意して行なって下さい。
 掴る場所はなるべく柱の下や換気孔附近を避けて、最小の穴にして下さい。深さは基礎の底や割栗石以上には据らないことです。またできたら内側の床下からも調べる必要があります。フーチングの幅や地盤面からの深さおよび土の状態をよく見ておぼえておいて下さい。
 基礎の深さ - 基礎の底が地盤面から浅いと、凍上による害を受けることがあります。特に塞い地方ては冬季には地中の足の深さまで凍結します。凍結して膨張した土が基礎を押し上げ、沈下とは逆の状態になることがあります。基礎底はその地方の凍結線以下にしておくことです。
 基礎廻りの埋戻し - 基礎の廻りの土は工事をした後に埋め戻しをします。埋土の土が足りないとへこんで水が溜ったり、テラスに亀裂が入ったり、水はけが悪くなったりして地盤には良くありません。少し高めに土を盛って水が流れるようにしておきます。基礎の周囲に排水溝を廻せばなおよいでしょう。
 なお、竪樋の雨水のたれ流しも、同じようによいことではありません。

 基礎の修理は地盤の状態、建物の構造などによってさまざまな方法があります。現われた現象に対する原因の判断と補修工事の方法とは、高度の専門的知識と経験を要しますので、いま、ここでそれを簡単に説明することは大変困難です。工事を担当した者や設計者とよく相談して下さい。
 また、補修の工事は長期に渡りますし、着工するまでにも観察や準備に時間を要します。そして完了した後も長く様子を見守ることが必要です。
 補修の工事を行なう場合、土中の状態がどのようになっているか調査することが大切です。特に基礎を支持する固い層の深さを知ることです。調査には、敷地の一角に穴を据って地盤の土質を調べたり、地質調査の専門会社に頼んで調査してもらうなどの方法があります。

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