屋根で現れる現象と補修

 瓦の剥れおよびズレは地震や大風の後や、人の登った後などに見られます。瓦の割れは工事中に割れた場合もあります。雨漏りの場合は屋根面からだけの雨漏りを取上げておきます。木造住宅の雨漏りの内、屋根面からのみの雨漏りはむしろ少なく、たいていは屋根と外壁の接点とか窓の廻りなどの方が多くみられます。
 コロニアルの割れ。鉄板の剥れ、破風板側や棟のカッパやその下の煽板(棟板)が、風によって剥がれたり飛ばされることがあります。コロニアルの剥れは葺き方が悪い時はコロニアルそのものが風によって剥がれ、飛散することがあります。特に前述のように棟板の剥がれた個所からは、容易に剥離を起します。飛んだ一枚一枚は刃物のようなものですから、人に当ればけがだけではすまない時もありますし、他の建物にも相当の被害をあたえます。雨漏りは瓦葺きの場合と同様のことがいえます。汚れは外壁の吹付けや、ペンキ塗り等の工事の時に飛散した塗料が附着していることかあります。
 瓦棒葺きの場合、鉄板の剥がれは大風の後破風板側からの剥がれや様板の破損、時には屋根全休を元締ごと剥離されることがあります。錆および傷は工事中につけた傷や、カラー鉄板の折曲げ部分の塗料の剥がれ、および釘の頭や釘の穴の廻りからが錆が出ます。また、唐草鉄板の下や隠れた個所の錆にも注意して下さい。鉄板葺き、特に元締葺きの屋根の雨漏りは多くありません。

スポンサーリンク

 瓦の剥がれおよびズレの場合、大風によって瓦がズレるのは、風圧や風の吸引力等によって瓦がもち上げられるからです。また、ケラバや軒先は風によって剥がされやすい所なので前にものべたように、釘や銅線で固定されていますが、これを検べるには下から物干し竿の先で瓦を少しもち上げて見ると、とめてあるかないかがわかります。棟瓦も同様に銅線で固定されていますが、ここは飛来物に当って破損しやすい所でもあります。
 瓦の割れの場合、工事中屋根屋さん以外の者が登ったり、入居後テレビのアンテナを取付ける時などにも瓦を割ることがあります。瓦屋根に上る時は底の柔らかな履物で、瓦の谷の部分の重ねの個所にのります。他の部分は下に隙があって割れやすい所です。
 雨漏りの場合、前述の場合ももちろん雨漏りの原因となりますが、そのほかにも次のような 場合が考えられます。
 瓦の葺き方不良によることもあります。瓦と瓦の重ねが少ないとか、棟の雨戸に桟瓦の差し込みが足りないなどの場合です。また面戸に埋めてある漆喰の質が不良で、雨で流れてしまうこともあります。棟瓦や斗瓦を多くして棟を立派に見せるため、その重量で棟木が歪み、棟瓦の重ねにロがあく場合も出てきます。
 以上の瓦の状態の他に、瓦の下の防水屑の原因が加わると雨漏りになります。普通屋根葺き材の雨からの多少の漏水は防水層で防ぐわけですが、防水紙に破れた個所があったり、薄い防水シートに打った瓦桟の釘の穴が塞がらない場合など、釘を伝わって屋根裏に雨が漏ってくる時があります。
 特殊瓦すなわち逆水止めの瓦といって、緩勾配でも重ね目から雨水が浸入しないような瓦がありますが、流れ方向の長さが長い場合は万全ではありません。
 鉄板の剥がれの場合、棟板の取付けが悪いと風によって剥がされたり、飛ばされたりします。棟板は垂木に届くように釘を打ち込みますが、垂木に釘が当っていなかったり、野地板だけに打ってあると風に対して弱くなります。
 コロニアルの剥がれの場合、棟板の取付けが悪いと風によって剥がされたり、飛ばされたりします。棟板は垂木に届くように釘を打ち込みますが、垂木に釘が当っていなかったり、野地板だけに打ってあると風に対して弱くなります。
 一枚のコロニアルは釘四本でとめてありますが、釘の本数が少なかったり野地板によくとまっていないと、風によって剥がれることかあります。特に根板の剥がれた後は風で飛ばされる危険性があります。
 野地板の厚さが薄い場合は、屋根に人間が登った時に野地板に緩みを起し、コロニアルの割れや防水祇の破れ、また釘の弛みをきたす場合があります。そして釘を伝わ って屋根裏へ雨が漏るのは、瓦葺きの場合と同様です。
 鉄板屋根の剥離は風によって、破風板側や軒先から始まることが多くあります。一部の剥がれですむ場合と、一個所剥がれると全休に膨れ上がって、瓦棒の心木ごと飛ばされることもあります。次に原因の主なものを考えてみます。
 破風板側や軒先の唐草と鉄板との折り曲げ不足で風の影響を受けてしまい、そこがもとになって心木ごと大きく剥がれます。心木は垂木に釘打ちで取付けてありますが、釘打ち不足や腐れなどによって鉄板と一緒に抜けてしまうことかあります。万一剥がれてしまったら原因をよく調べて、補修の時の参考にして下さい。
 瓦棒は破風板側の端にもある方が、多少はやぼったく見えますが風に対しては丈夫です。
 心木が抜けるのは心木自身の腐れによることもあります。解体した住宅の心木を見ますと、雨水が集中する下流の部分の腐れがめだっています。また、瓦棒の心木を包む鉄板すなわちカッパが溝板の面に接していると、そこから雨水を吸い込んで心木を腐らせます。
 心木に釘打ちしてある溝板は、日光の熟や風圧によって伸縮したり動いたりしています。そのために釘穴が拡大して風の被害を受けることがあります。
 工事中の傷や、前記のような釘穴の廻りから錆が発生します。定期的に塗装をする必要がありますが、点検は、その他のめだたない唐草の下などを主に毎年行なって下さい。
 雨漏りは前述のような原因によるもののほか、瓦棒の包み鉄板すなわちカッパからの雨漏りも考えられます。屋根に上る時、カッパの上に足をのせますと、鉄板がつぶれて継手や溝板に近い部分が口を開けます。これは、心木がカッパに比べて小さい場合によく起ることです。心木なしの瓦棒の場合も同様です。
 瓦一、二枚の割れなら応急処置として、鉄板などを下から差し込んでおくこともできますが、ズレや剥がれは全体的に直さなければならない場合もあります。瓦はその形や歪みを見ながら葺き上げてあるので、一枚を取替えるのもその廻りの瓦との関連があって、屋根屋さんに頼まなければ無理な時があります。屋根屋さんと相談して、場合によっては全面的に葺き直しをしたり、厚手の防水紙を敷く必要があります。
 コロニアル葺きの場合、原因によってはコロニアルの葺き直しや、防水紙を厚手のものに替えたり、野地板を補強したりする必要があります。剥がしたコロニアルの大半は再使用できるものは少ないでしょう。部分的に葺き直すにはメーカーで出している説明書により、専用の金具を使って釘を抜き、新たな材料を接着材をつけて差し入れます。
 コロニアルの表面についた汚れは、なかなか落しにくく、特に外壁の吹付けや塗装の汚れはそれを落すのは無理のようです。多少のものは擦ったりメーカーで出じている蒼色材で補修できますが、あまりひどいものは葺き替えるより仕方がないでしょう。
 鉄板の折曲げ不足や隙間のある時は、用具で締めつけてもらって下さい。不幸にして屋根全休が捲れたり剥がれたりした時は、葺き直す前によく原因を調べ、心木を取替えて垂木に大釘で三〇センチ間隔くらいで打付けるとか、妻側にもう一本元締を作るとかしておきます。鉄板は厚手のものにして下さい。
 カラー鉄板の傷はメーカーで出している補修液がある場合もありますから、それを取寄せて塗布して下さい。もしなければ同色のペンキでも結構です。

住まい暮らし生活
瑕疵担保責任について/ 瑕疵担保の期間/ アフターサービス基準/ アフターサービス工事/ アフターサービスとアフターケア/ 住まいの構造と現象/ 基礎の故障と補修工事/ 地盤について/ 在来工法の木造住宅の構造と現象/ 床や壁際に現れる現象と補修工事/ 屋根の構造と材料/ 屋根で現れる現象と補修/ 軒裏に現れる現象と補修工事/ 雨樋に現れる現象と補修工事/ 外壁に現れる現象と補修工事/ 外壁について/ 住宅の内装で現れる現象と補修工事/ 住宅の床に現れる現象と補修工事/ 建築材料について/ アルミサッシや雨戸で現れる現象と補修工事/ アルミサッシについて/ 室内の開口部と建具に現れる現象と補修工事/ 内外塗装で現れる現象と補修工事/ 塗料の種類/ 雨漏りの点検と補修/ 住宅の維持管理/ 住宅の補修工事/ 住宅の防湿/ 住宅の防虫/ 増築工事/ 住宅の結露/ 住宅の断熱/ 住宅の通気/ 風の性質/ 住宅の防災/

      copyrght(c).住まい暮らし生活.all rights reserved

スポンサーリンク