外壁について

 モルタル塗りの外壁はその外貌の美しさと同時に、また欠点をももっています。欠点の主なものは、表面に現われるヒビ割れ、またはヘヤークラックといっているものです。
 木造の建物の場合には、モルタル壁のヒビ割れをなくす方法はいまのところありません。しかし皆無にすることはできなくとも、やり方次第ではかなり少なくすることはできるものです。それは工事をする者の努力次第だといってもよいでしょう。現に関西地方では塗り壁の外壁が多いのですが、ヒビ割れの見られるのは少ないようです。

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 モルタルの壁の施工のポイントは、次の四つくらいにわけられます。
 モルタルにかぎらず塗ったり貼ったりして仕上げる壁の場合、その塗る相手すなわち下地がしっかりしていないと、その下地の欠陥が仕上げの面にまで及んできます。モルタル壁の場合は、ラス下地板の釘の打ち方や継手の位置、ラス網のとめ方や継目の処理などが問題になります。また下地以前のものとしては、軸組そのものの歪みに関係していることもあります。以上が不良の場合、壁の大きい面に長いヒビ割れが見られることがあります。
 モルタルとはセメントと砂をある比率で混合して、水で練ったものをいいます。外壁に塗る左官用のモルタルは、セメントー砂三くらいの割合で配合しますが、下塗り用と仕上げ用では、その割合や砂の荒さを多少変えてあります。それに他の混和材を入れたりして、よく混合した復水で練り上げます。混合の度合の不足や、セメントが多すぎたり砂の粒度が不適当だったりしますと、仕上げ面に小さなヒビ割れ、すなわちヘヤークラックが現われることがあります。
 ラス網の上に塗るのを下塗りまたはラスコスリといいますが、それこそ十分に擦ってモルタルを塗り付けておきませんと、内部で網や釘に錆が出たり仕上げ面に網の形が出てきたりすることがあります。また、下塗りの後に二週間くらいの期間をおき、その間にモルタルの割れなどを十分に発生させておきます。この期間が短いかあるいは全然なしで仕上げを行ないますと、表面にヒビ割れが発生してきます。下塗りの時にヒビ割れが出ればモルタルで目塗りをし、中塗り上塗りと仕上げていきます。ただし普通の工事では、この通り行なっているのが少ないのが実状です。
 養生という言葉は、工事に要する準備や工事中、または工事後の保護といった意味のことをいいます。塗りつけた後、冬季では凍結の防止、夏には乾燥防止の処置、完了後は表面の保護などを行ないます。前記のように施工中に一定の期間をおくのも養生の一つです。この養生を怠るとよい仕上がりは期待できません。工事期間を短縮したり、入居を急いで養生期間を十分にとりませんと、一年後二年後にその影響が出てきます。
 以上がモルタル工事の要点なのですが、これらを注意すれば、構造的なものを除いてヒビ割れは全然なしとはいわないまでも、非常に少なくなります。また混和材を入れてセメントの収縮を少なくしたり、いろいろの繊維、たとえば麻とかグラスファイバーとか時には鉄毛などを入れて、ヒビ割れの防止を試みて相当の効果を上げているところもあります。
 建築に使用するコーキング材すなわちコルクのように栓をする材料および隙間を埋める充填材は、主として次のような種類のものがあります。
 コーキング材と充填材とでは多少の意味のちがいがあり、ここでは、前者は粘着物質や弾性体で目地などの伸縮にある程度追従できるものをいい、後者は固まると固体になるものをいうことにします。

 コーキング材
 油性 - 灰色の粘着性のある油性の物質で、表面に皮膜ができるものとできないものがあります。普通前者をよく用いますが、皮膜の下は固まらないで粘着性を保っています。使用個所はあまり表面には用いませんが、塗装も一応可能なので用途は広いものです。相手は乾燥を要します。
 合成ゴム系 - 溶剤型。ブチルゴム系の物質で溶剤が揮発した後に、灰色の弾性のある固体ができます。着色したものも数種類あります。金属のパネル等には接着性がよく耐久性もあるのでよく使用されます。アルミサッシの組立て用のシール材や、カラー鉄板屋根用のコーキング材としても市販されています。使用個所の乾燥を要します。
 チオコール系。普通チオコールと呼んでいる弾性体のコーキング材は、使用時にAB二液を混合して用いる二液型です。サッシのガラスや、金具パネルや、外壁ボードの継目などに使用します。使用個所は乾燥を要します。
 シリコン系。一液性の材料で酸型と無酸型があります。酸型は文字通り酸性の臭気がして、金属サアンなどには使用しない方がよいでしょう。耐仮性その他の性能がよく、外部のコーキング材としては最高のものです。

充填材
 水性 - アクリル系。コーキング材といってもよいのですが、固まると酸性のある物質なので一応充填材としておきます。アクリル樹脂の水性エマルジョン系の材質で、水分が乾くと白色または着色した固体が残ります。使用個所は主として内外壁の隙間や、ヒビ割れに充填し、上に塗装ができます。充填の個所は多少の湿りがあっても使用可能です。
酢酸ビニール系。水性の酢酸ビニール系のパテが出ています。内壁のへこみや割れ目などに充填します。厚塗りすると亀裂を生じるので、薄く何回でも埋めるようにして下さい。
 エポキシ系。この充填材は同系の接着剤とともに、最近ではよく使用されています。二液型で同量のAB剤を混合して使用します。水分の多少ある所でも硬化し、水によって柔度が加減できるので便利です。硬化した後は相当な硬度になりますので、道具の刃が当らないよう注意して下さい。使用個所は水を使用する浴室の浴槽と壁の隙間とか、水のかかる木材の腐朽跡の充填とか、多方面に使用できます。ホーロー浴槽の傷の補修にも使われます。小さな個所でしたら、水彩絵具を混ぜると着色もできます。
 その他 - 木材用パテ。各種の木材の粉末を合成樹脂で練ったものが、木材の傷やヒビ割れの充填材として市販されています。
 セメント。特に充填材とかコーキング材とかいわなくとも、普通セメントや白セメントも充填材の一種です。また、着色したものや防水剤の入ったもの、合成樹脂を加えたものなども市販されています。モルタル壁やタイルの目地の補修に使用します。
 以上が建築で使用するコーキング材や充填材の主なものですが、使用個所によっては接着しにくい材料や不適当なものがあり、特に前に施工してあるコーキング材との関係もありますから、購入に当ってはよく相談して種類を選んで下さい。
 外部に用いるものは、その耐久性におのずから有効の期限があり、また、価格の差もあります。

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