住宅の内装で現れる現象と補修工事

 住宅の内壁の仕上げ材や工法について、区分してみますとだいたい次のようになります。

 湿式工法の壁
 湿式工法というのは、水で練った材料を鏝で塗り付けて仕上げる壁をいいます。
 プラスター塗り。プラスターには石膏糸とドロマイト系がありますが、普通はドロマイトプラスターを使用するのが多いようです。下地は石膏ボードの下地用ラスボードを間柱に釘で打ちつけ、下他用の材料で下塗りや中塗りをした上に、仕上げ用のプラスター等で仕上げます。
 繊維壁。前記の下塗りや中塗りの下地が乾燥した上や、直接石膏ボードの上に繊絶壁材を鏝でごく薄く塗りつけます。繊維壁の材料は、総状のもの、糸状のもの、土状のもの、粒状のもの等があり、有機質や無機質の材料に糊を加えた仕上げ用の壁材です。メーカーによっていろいろの種類が市販されており、真綿状のものから一見砂壁とまちがえるものなどあります。
 上塗り壁。土塗り壁は前記までの壁とちがい、真壁に荒木田などの粘土を細い竹で編んだ小舞下地に塗りつけます。最近では小舞下地を作る人も少なくなって、かわりに合成樹脂製のものができています。表面の仕上げは漆喰塗りや繊絶壁が多くなっています。

 乾式工法の壁
 前記の壁のように水で練った材料を使用しないので、乾式工法と呼ばれています。
 表面を体裁よく仕上げた合板やボードを、間柱や胴縁に張り付けたもの。
 下地の合板や石膏ボードの上に、壁紙やビニールクロスや布を貼った壁。
 合板やボードの上に、塗料を吹付けたり塗装したりした壁などがあります。

 タイル壁
 浴室や台所の一部の壁のように、水や火気を使用する場所にはタイルを多く使用してあります。下地はモルタル下地や合板や石膏ボード等があり、前者の下地の時はモルタルを塗ってタイルを押付けて張る圧着張りや、積上げ張りすなわちダンゴ張りがあり、後者の下地には接着材を使用する接着張りがあります。目地には特殊な白セメントのミルクを詰めます。

 木造住宅の内壁にはご承知の通り大壁と真壁があります。大壁は柱や間柱の上に壁を作り、真壁は柱を見せて壁を仕上げます。大壁でも後から付柱を取付けて、一見真壁と区別できないものもあります。壁の造作材としては鴨居や敷居のほか、長押、畳寄せおよび幅木などがあり、外廻りの壁には断熱材を入れてあります。
 なお壁の仕上げ面の出来不出来は、壁ばかりではありませんが、下地の良し悪しに影響されることが大です。湿式にしても乾式にしても、合板またはボードを柱や間柱または訓練に釘でしっかり打ち付けます。継ぎ手は間柱や訓練の上に当て、継ぎ目や釘頭はパテで埋めて平らにしておきます。

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 現象として湿式壁の場合、壁の中央部や開口部附近に、主として縦方向のヒビ割れを見ることがあります。
 柱や開ロ部の枠および幅木などの廻りに隙が見られます。
 壁の汚れやカビや錆状の染みの発生を見ることがあります。
 乾式壁の場合、吹付けや塗装の壁などに一の印と同様、縦方向のヒビ割れが見られます。壁紙やクロスに皺ができる場合があります。前述と同様な、汚れや染みおよび錆が出てくる場合があります。
 タイル壁の場合、タイル壁には目地の割れや、タイルの浮きや割れが見られます。
 ヒビ割れは下地のラスボードの継ぎ手に問題がある場合に発生します。継ぎ目に隙間があったり、継ぎ手が間柱や胴縁の真上でなくその中間であったり、釘の打ち方が不足だったりすると仕上げに影響が出てきます。継ぎ目に寒冷沙などを貼ってあればなおよいのです。
 柱や造作材と塗り壁との間は、木材や壁そのものの収縮によって隙間を生じます。造作材に壁決りをしてあると目立ちません。
 北側の壁や浴室の隣りの壁面などが結露により湿ったり、汚れたりカビたりすることがあります。塗り壁は乾式の壁より壁自体の吸湿や排湿の調節ができる利点はありますが、湿気が多いと湿りっぱなしになります。湿った壁は他の面より埃がつきやすく汚れがめだちます。
 下地のラスボードを取付ける釘の頭が防前処理をしていない場合、仕上げの表面にポツポツと前の染みが現われてくることかあります。釘はステンレス釘を使用するか、または頭をラックニス等で処理してあると錆が出ません。
 木造住宅のタイル壁の目地の割れは、モルタル壁のヒビ割れと同様、全然なくすることはできないものです。また、タイルそのものの割れや浮き剥がれは、張り方にもよりますが、下地の影響によることも多いことがあります。浴室の腰壁の下地の板や間柱は、床からの水を吸い上げて反ったり狂ったりすることがあるので、水を使用する所での木材の使い方は、特別の注意が必要です。また、軸組の歪みが原因のこともあります。タイルの浮きや剥がれは、外見より広いことかあり、表面を叩いてみて音で判断して下さい。
 補修工事として、ヒビ割れや隙間に使用のパテをていねいに充填します。繊維壁の場合は工事をした左官屋さんに頼んで、使と同じ材料で修理してもらった方がよいでしょう。修理した個所が再びヒビ割れを生じたり、割れの幅や長さが大きくなった場合は、仕上げ材を剥がして下地を調べます。そして釘を増したり、継ぎ目に寒冷沙などを張って補強しなければならない時もあります。
 結露や湿気のくる原因を直さなければ仕方がありません。部屋の暖房や通風により、使の湿気を少なくすることができますし、繊絶壁等を吸湿性の少ないビニールクロスなどに替えることによって、少なくともカビや汚れの発生を防ぐことも可能です。カビの汚れはカビ取剤を使用しますが、もとの地を白くすることがありますから、目だたない所でテストをします。またカビ取剤は眼に入ると危険ですから、くれぐれも注意して下さい。下地ボードの釘頭の錆は、仕上げ材を剥がして釘の頭にラックニスを塗ります。
 壁紙やビニールクロス等部分的に貼り直す場合は、同じ色柄のものでも色が前のものと異なることがありますから、継ぎ場所を考えて下さい。前のものがない場合は、別のものでその部屋全部を貼り直さなければならない時もあります。
 タイル壁の場合、目地を錐の先などで浚えて浮いたモルタルを取除いた後、目地用の白セメントのペーストを充填して、乾かない内に廻りを拭い取ります。このペーストは白セメントのみでは後で再びひび割れを起すことがありますので、目地用に配合したセメントを使用します。壁のタイルの割れも二、三枚程度なら、割れたタイルを取除いた跡をていねいに浚えて、モルタルまたは接着材で張り付けることはできます。
 以上の材料は日曜大工店や浴槽を扱っている店で購入してきて、自分で直せることもあります。

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