住宅の維持管理

 新しい住宅に入居したらというより建物が竣工したら、ただちにこれからの維持管理の計画をたてて下さい。自分のこれからの生活の長期計画と住完のあり方を考えた上、建物の模様替えや、増築等の時期を織りこんで生涯の計画を立てます。
 建物、特に住宅はお飾りではありません。使用してゆくうちには汚れもし消耗もします。汚れや消耗をいつも気にしていたのでは、のびのび暮らすことはできません。しかしまた、それらは放置しておきますと染みや傷となって残ってしまいますから、定期的な手入れを行なってつねに正常な状態にしておいて下さい。
 正常な状態に保つということは、故障が出てきたり誘が全面に表われてしまってからでは遅いのです。大ごとにしてからでは補修費は大きくなるぱかりなので、計画にしたがっての事前の手入れが大切なのです。いま、竣工してからの日次別管理や、補修の目安をのべて見ます。設備機器については取扱い説明書にしたがって下さい。
 維持管理費としては竣工俊一、二年まではアフターサービス等があってほとんど目につきませんが、畳の表替えをする四、五年頃から、そろそろまとまった出費が出てきます。
 費用としては毎年平均すると、新築工事費の一〜三%ぐらい必要といわれています。後になるほど金額が多くなりますので、初めから必要であってもなくても、平均額くらいは毎年積立てておくべきです。

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 次にのべます入居後の管理上の期間や個所については、前記アフターサービス規準や、技術編の現象と原因の項等にも関係がありますので参考にして下さい。

 毎日の管理
 住宅の管理の基本は毎日の掃除にあります。建物全部を毎日行なうのが大変ならば、一部屋ごとに一週間くらいで一巡するようにします。外部も忘れないで下さい。

 一週間または一月ごと
毎日の掃除で手の届かなかった灯具とか壁の上部、隠れた個所、たとえば流し台の収納車の中とか家具の後、あるいは浴室の壁の隅とかを掃除します。掃除のついでに点検もします。
室内の仕上げ材の表面は、乾いた布で拭いておく程度でよいでしょう。しかし白木の部分の汚れは染みにならないうちに落し、ステンレスの部分やクロームメッキのパイプなども継対錆ないわけではありませんから、布などでよく拭くようにします。
 まだ工事中の残材や引越のダンボール箱等が外壁の際にありましたら、早く片付けてもらって下さい。

 半年ごと
 入居または竣工俊三ケ月〜半年くらい経った時、畳を上げて風や日光に当てて乾燥させます。工事中の湿気が残っていて、畳床にカビや微生物が発生していることがあります。
 流し台の下と床板の間や家具と壁の間に、ドライヤーやふとん乾燥機で乾燥した風を通して下さい。

 一年ごと
 戦前は春または秋に日をきめて、各地区で住宅の大掃除を行なうという制度がありました。現在そのような地区があるかどうか知りませんが、年一回徹底的に内外を清掃することは、住宅の維持管理からいっても大変有意義なことで、ぜひ実行したいものです。
 晴天の日、家具や押入の中のものを庭先や他の部屋に移し、畳を外に出して埃を叩きます。床下や天井裏を清掃し、床下には無害な防虫剤等を散布します。
 軒樋の落葉を除き、下水の溜桝の沈澱物や管内の油脂系の附着物を葉品等で除去します。沈澱物が溜りすぎると浴室の床等に下水が逆流したり、臭気が流れてくることがあります。
 外部の鉄製品、特に工事中傷を受けたものは、錆が見立ってくる頃です。大きく錆ないうちに部分的に塗料を塗っておきます。
 暖房の時期を経過した建具に狂いが生じていることがあります。建具や建具の金物の調整をする頃です。
 五月または六月初めの頃は、ラワン材の虫害に気をつけて下さい。ラワン材を骨組に使用したドアや合板などにも注意して、黄色い粉の発生を見たらただちに薬剤で処理します。ラワン虫の生態は一年の周期ですから、翌年の五、六月頃の注意も忘れないようにして下さい。
 瑕疵担保やアフターサービス規準のうち、ものによっては一年で期限がきれるものもあります。規約や契約書を調べて故障のある所は、点検や補修を受けるようにして下さい。

 二年ごと
 外部の西および南側の玄関木製ドアや板張りの外壁またはその他の木部は、一年の半ば頃から塗装の剥げがめだってくることがあります。もう二、三年まって建物全休を塗り替えるか、その面のみを先に塗るか程度によって判断します。
 浴室などの水のかかる木製建具の下端や木枠の下部、または外部のベランダ等の木部の継目などは水が浸入していて、腐朽が始まっている場合があります。表面の塗装でわからないことがありますから、釘等を差して調べて下さい。
 一年目の終りから二年目にかけて、工事の不備や材料の欠点がある場合ははっきり現われる頃です。この時期の補修が今後の住宅の寿命に影響してくると同時に、早めに補修を行なえば、結局は費用の節約にもなります。
 アフターサービスまたは瑕疵担保責任の期間は、二年間となっている場合が多いので注意して下さい。

 三年ごと
 外部の鉄製品の錆が全面的に出始めます。屋根等のカラー鉄板も早いものは錆を見ることがありますが、色によってはわからないことかありますので気をつけて見て下さい。なお鉄製品令カラー鉄板の塗装の周期は、この後は短くなります。
 使用の多い和室の畳表は、そろそろ裏返しが必要でしょう。

 五年ごと
 カラー鉄板や外壁の木部の全面的な塗装も必要になる頃です。
 畳の表替えの時期です。
 屋根瓦のズレを点検してもらって下さい。

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