増築工事

 人間の住宅に対する好みは、その年齢によっても変化することがあります。たとえば、若い時代は恰好のよい洋風の住まい、中年では機能と情緒を重んじ、年をとってからは落ち着いた和風の部屋を、といったような具合です。
 また、家族構成の変化によっても、その時に必要とする住まいの規模や質にちがいが生じてきます。小さな子供のいる間は、壁や床の仕上げ材も丈夫なものを選び、庭も植木や庭石を置かずなるべく広いスペースを用意しておきます。子供の生活を主として考えれば、多少の汚れや傷などは仕方がないかも知れません。
 人間一生の間に何度も住まいを建替えるわけにはいきません。そこでその年代に相応しい生活の場や装いは、その時にいたって既存の住宅の模様替えや、改造や増築等によって造り出すことになります。自分のライフサイクルや、生涯計画にその時期を織りこんでおいて下さい。
 お子さんが学齢に達したところで内外の化粧直しをし、少し経って改造や増築を考え、中高年になったところで模様替えや改築を行なうというようなことでしょうか。

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 工事を依頼する前に、図面を画いてよく検討して下さい。台所と隣の部屋を続けてダイニングキッチンにしたり、居間をひろげたりして使用するのは、うまくゆくと古い住宅を再生して新しい生活ができる時もありますが、反面中途半ぱな使い方しかできず、結局は新しく建替えるはめになることもあります。
 改造や増築の計画は、一面では新築の場合よりむずかしい場合があります。設計は設計の専門家に頼みたいものです。増改築部分を含めて、住宅全休の住まい方を再検討してもらって下さい。
 増改築の計画の前に役所等にいって、現在の敷地の建築基準法上の地域指定その他を確認します。たとえば、いままでは普通の住居地域と思っていても、それが変更になって住居専用地域になっていたりしますと、計画していた面積や高さの増築がてきない場合もありますから、係の人と相談して下さい。
 また、増築はどうしても敷地の境界線いっぱいに建てたいのが人情ですが、境界線から建物外壁までの距離を一定に保持しなければならない、建築基準法上の地域があったり、また、民法では普通、境界線から五〇センチ離すことになっていたりすることがありますから注意を要します。
 あらかじめ設計図で既存部分の構造を調べます。間仕切壁の住や特に筋造などは取除くのがむずかしい場合が多いし、梁を補強しなければならない時もあります。ことにプレハブ住宅やツーバイフォーエ法の場合、壁を撤去するのはほとんど不可能に近いことが多いので、メーカーとよく相談して下さい。
 増築は独立した構造体を別に建てて、本屋と接続する方法が一番確かですが、敷地に余裕がない場合は、平屋の既存部分の上に二階をのせることになります。
 次に二階の増築を主として、注意すべきことをのべてみます。
 平屋の上に二階を継ぎ足すには、基礎が二階分の建物の重さを支えるのに不適当な時があります。
 しかし、もとの基礎そのものを補強するのはなかなか困難なことが多いので、脇に別の基礎を造る方がよい場合があります。
 平屋の上に二階をじかにのせるのは基礎の問題ばかりでなく、軸組すなわち骨組の上からも問題があります。一階から二階まで新たに通し柱を立てて二階梁を取付け、平屋とは別の構造で、新しい二階屋を建てるつもりで計画して下さい。
 継ぎ足すもとの建物の骨組に補修すべき個所があれば、しっかり直した後に新しい部分を接続します。また、古い部分の仕上げ打と新しい個所の仕上げ材がうまく調和しないことがありますから、古い所も一緒に新しくする場合もでてきます。
 増築部分の用途によっては、既存の水道管や排水管の位置や太さを変更しなければならない場合も出てきます。また配管が増築個所の床下になったり、基礎にかかることもあるのであらかじめの調査が必要です。
 増改築の工事費用は、増築部分の面積×坪当り単価というように簡単にはいきません。既存部分の改造や補修の費用が必要ですし、二階の増築の場合は、一階の部分の構造の工事費も見こんておかなければなりません。
 また、住みながら施工する場合が多く、生活に支障がないよう長生等をするので、工事は小規模でも坪当りの単価は割高になるのは仕方がないことです。

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