住宅の通気

 ここで通気または換気といっているのは、木造住宅の構造体内部の通気をいっています。従来の木造住宅では、構造上の換気については、あえて取上げなくてもよいくらい隙間の多いものでした。しかし最近では部屋の壁は大壁に、外部はモルタル塗りになり、サッシ等で密閉した構造が多くなっています。また、断熱材の挿入によって、壁体内の上下の通気のスペースが狭くなっています。
 これらのことを含めて構造体内の通気や換気に関して、断熱材や結露との関係を改めて考えてみる必要があります。

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 木造住宅の建物が構造体として外気に関いている通気のための開口は、基礎廻りの換気孔と屋根裏の換気孔があります。また、間仕切壁の下は床下を通じて屋根裏まで間接的に外気に通じていることになります。その他にも外気と流通している隙間は多くありますが、主なものは以上です。
 床下換気孔は、建築基準法で定められた床下通気のための開口です。床の高さが直下の地面から床の上面まで四五センチとなっているのも防湿や通気のためです。開口は南北または東西に配置したり、内部の布基礎にも設け、空気の流れに気をつけてあります。
 特に浴室や便所附近の床下は湿気が多く換気孔を必要とする所ですが、これが見当らない住宅が多いようです。この開口は、通気ばかりでなく床下の配管の点検にも役立ちますから、ぜひ設けておきたいものです。
 冬季床下からくる隙間風に悩まされることがあるかと思いますが、これは外気と室内の気圧の差からくる場合もありますが、一つには床下の通風のよいのも原因です。
 冬季には、床下換気孔の大きさを蓋等で加減するのも一つの方法です。敷地の風向や湿気および断熱材の有無等を考慮に入れて、腐朽菌の繁殖や部屋の壁面の結露等に注意しながら試して見るのもよいでしょう。
 屋根裏や軒天井にも換気の口があります。地方の条例は別として、基準法には個数や大きさは決められてありません。しかし住宅金融公庫の枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の仕様書には、吸気や排気のためのその大きさや位置等が書かれています。これはアメリカやカナダあたりの規定によるものと思われますが、前にのべた断熱材の湿気を逃すためにも、適当な大きさのものはぜひ必要です。位置としては屋根裏の高い所がよいのですが、吸気ロと排気口の流れを考慮に入れて配置します。
 浴室の廻りの壁は腰高の基礎の関係上、壁体内の通気が次にのべるような流通の系路から外れています。したがっていったん入った湿気はなかなか抜けないものです。そのためにも、外に向って換気のための開口を設けておくのがよいかと思われます。
 構造体の中の通気を促す原動力は対流も考えられますが、主として風力にあります。風は吹いてくる面には圧力を加え、反対側や側面には正面の圧力の半分くらいの負の圧力すなわち扱引力が生じます。したがって風上の開口から建物に入った風は風下や側面から扱い出され、床下および屋根裏内や壁体内の上下で空気の流れを生じます。
 いわば、構造体内の隙間は外気と同じか、または半外気といってよいくらいです。また、外気や部屋側よりも気圧の低下する場合があります。したがって部屋側の壁や天井の仕上げ材はたんなる化粧だけでなく、気密性や防湿性の高いものが要求され、半外気の空間から部屋の内側を遮断するという意味をもっているわけです。前にのべたように、ツーバイフォー工法では一階と二階の壁体内の空気の流通はありませんが、これがどのような意味をもつかは今後の課題かと思われます。
 風雨の時雨戸やサッシと敷居の間から、雨が泡沫となって部屋の中に吹込んでくるのを見ることがあります。これは風圧によって隙間から浸入するばかりでなく、前記のような負圧によって吸引される結果とも考えられます。サッシのパンフレットなどに印刷されている性能表に、内外圧力差何キロまでと記入されているのはこのことです。毛細管現象によって外壁や屋根の細部から雨水が吸上げられ、雨漏りの原因となるといわれているのも、むしろこのような場合が多いのではないかと思われます。また、浴室内の湿気が小さな隙間から屋根裏や壁体内に浸入するのも以上の原因からとも考えられます。

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