風の性質

 風の吹いてくる方向について、いささか乱暴ですが二つの種類にわけてみました。一つは不断吹いている風すなわち季節風の方向です。北半球で各季節ごとの気圧の配置によって空気の流れが起り風となります。南関東を中心にしますと冬季の日中は北からの風、夏の日中は南の風が多いようです。日中の天気のよい日は南の風もだいぶ西にかたよりますが、夜間は各季節とも北よりの風が多くなります。また年間を通じますと昼夜を通じ、意外にもこの北よりの風が多いことになっています。風速も年平均では三メートル内外ですが、時として夜中に意外な風速をみることがあります。
 もう一つの風は台風とか春一番とかいわれるものです。台風などは数日前からその位置を刻々報道されるので、事前にそれなりの準備ができるのですが、日本海や太平洋に突然現われる低気圧に吹込む風は、時として大きな被害をもたらすことがあります。
 ご承知のように台風にしてもその他の低気圧にしても、その位置が建物の所在地より北側にあれば南から、南側なら北から時計の針と逆の方向に低気圧に向って風が吹込みます。

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 自分の住宅の建っている土地の風向なり地形なりをよく承知しておいて下さい。東京地方では南斜面の土地が住宅にとって住みよいとされるのも、たんに日当りの関係ばかりでなく、前項前者の季節風の風向からいって、北風をさえぎりしかも南からの風を受けられるからです。大阪地方などは年間を通じ東西および北の風が多く、しかも夏の夕方は夕凪により暑苦しい時間があります。その他の地方にしてもその土地特有の地形なり風向があり、住宅の配置も大半はそれを考慮してあるものと思います。
 また低気圧に向って吹込む風の方向が、地形によってはどのような状況になるかを不断からよく研究しておいて下さい。だいぶ前ですが八丈島を襲った台風は、山と山の間を通る風が風速を増して被害を大きくしました。ビルの間を吹いてくる風も同様ですし、谷状の地形や街路が風の通り道となった時も同様です。また、高台では崖に沿って風は下から吹き上げてきます。
 低気圧の中心の位置によっては、風は全然反対の方向から吹いてきますから、前の風で被害がなかったからといって次は安全とはかぎりません。
 建物に作用する風の力は正面からの圧力ばかりでなく、背面や側面に作用する負の圧力すなわち吸引する力を生じます。
 正面にかかる風圧が一〇〇としますと、背面や側面は三〇から五〇くらいの力で外に引ぱられることになります。また、屋根の面でも同様で、平らな屋根や屋根面の風下は、上に扱い上げる力が働きます。風下や側面の雨戸が外側に外れたり、屋根葺き材の瓦や鉄板がバタバタ音をたてるのもこのためです。また、飛行機の翼同様に浮力をもち、屋根全休が飛ばされることもあります。
 風の正面の圧力は毎秒の風速の二乗に比例するといわれます。雨戸一枚の面積が一・六平方メートルとすると、最大風速二〇メートルの時には約四〇キロの重量がかかり、風速四〇メートルの時は一六〇キロとなります。

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