借家の無断増改築

借家人が足が不自由で、従来の据え置き型の小さな浴槽では不便を感じていたので、浴室を少し広げて足の伸ばせる埋め込み式の浴槽が設置できるようにしました。ところが、家主のほうから自分への断りもなしに勝手に改築するのは契約違反だから契約を解除するといってきました。このような契約解除は認められるのでしょうか。借主は契約又はその目的物の性質によって定まった方法に従って借家を利用する義務があります。借主がこれに違反すると、家主は相当の期間を定めて催告したうえで、契約を解除することができます。その違反の程度が著しいときは、催告なしで契約解除できます。無断増改築は、この用法違反ということになり家主は契約解除することができます。ただし近年では、借地契約が長期にわたるものであることを考慮して、義務違反があっても、家主との信頼関係が壊れたと認めるに至らない特別の事情があるときは、契約解除は認められません。しかし、このような特別の事情があるかどうかは借主のほうで証明しなければなりません。無断増改築に関する裁判例によると、無断増改築が小規模で元の状態にもどすことが容易にできるときや、借主が借家を利用する上で必要なものであり、かつ有益なものであるときは、信頼関係が壊れたと認めるに至らない特別な事情があるものとして解除は認められません。1階建を2階建にするように建物の構造を大幅に変更するような大規模なものや、元の状態に戻すことが困難なものは、契約解除が認められます。家主がしばしば工事の中止を求めたにもかかわらず、工事を強行したような場合も、家主との信頼関係がこわれたと認められる場合にあたるとして、契約解除が認められます。

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