不動産の欠陥

買った不動産の全部又は一部が他人の所有物であったり、いろいろな権利によって制限されていたり、その不動産に瑕疵があった場合、民法上、買主を保護するために救済方法が認められ、買主は売主の責任を追求できます。これを売主の担保責任と呼んでいます。担保責任は、無過失責任である点、解除するのに催告が不要である点、権利行使の期間が短い点などで債務不履行責任と異なっています。

権利の全部が他人に属する場合
他人の物を売買契約の目的としてもその契約は有効であって、売主はその目的物を他人から取得して買主に移転する義務を負う。売主がその義務を果たせないときは、買主は、目的物が他人に属していたことを知っていた(悪意)、知っていない(善意)にかかわらず、契約を解除でき、さらに善意の買主は損害賠償を請求できる。悪意の買主は担保責任に基づく損害賠償責任はできないが、債務不履行に基づく損害賠償請求はできるとされています。なお、一定の場合には、売主にも売買契約の解除権が認められています。
権利の一部が他人に属する場合
土地を売ったところ、その一部が他人の土地でその部分の所有権を買主に移転できなかった、というような場合、買主は善意悪意にかかわらず、権利の不足部分の割合に応じて代金の減額を請求できる。移転できた部分だけであれば買主が買わなかったであろうという場合は、善意の買主は契約の全部を解除することができる。さらに、代金減額請求ができる場合でも契約解除できる場合でも、善意の買主は損害賠償をすることを妨げられません。ただし、善意の買主の代金減額請求権、契約解除権、損害賠償請求権は売主が権利を移転することができないという事実を知った時から、また悪意の買主の代金減額請求権は契約の時から、それぞれ1年以内に行使する必要があります。
数量不足、物の一部減失の場合
数量を指示して売買した物が不足である場合、物の一部が契約の当時すでに減失していた場合には、善意の買主は権利の一部が他人に属する場合と同様に、代金減額請求権、契約解除権、損害賠償請求権を有します。数量指定売買とは、たとえば宅地分譲のように宅地の面積が表示され1平方メートルあたりの単価をそれに乗じて価格を定めるような場合であり、宅地売買で単に登記簿上の坪数を表示したとしても直ちに数量指示売買にはあたらないとされています。
目的不動産の利用が制限されている場合
売買の目的不動産に地上権、永小作権、地役権、留置権、質権又は対抗力ある賃借権が設定されている場合に、買主が善意のときは、常に損害買収請求ができますが、契約の目的を達することができない場合は契約解除もできます。売買の目的不動産のために存在するといっていた地役権が存在しなかった場合も同様です。なぉ、善意の買主の損害賠償請求権、契約解除権はその真実を知ったときから1年以内に行使する必要があります。
目的不動産に先取特権、抵当権が存在する場合
売買の目的不動産の上に存在した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、善意悪意にかかわらず、契約の解除ができ損害賠償請求ができる。
隠れた瑕疵があった場合
隠れた瑕疵とは、たとえば、買った家屋の基礎が傷んでいた場合のように、一見してわからない欠陥をいいます。この場合は売主は目的不動産の利用が制限されている場合と同じ担保責任を負うことになります。物質的な瑕疵ばかりだけでなく、建物を建てるつもりで土地を買ったところ、それが都市計画事業として施行される道路敷地に該当し建物を建ててもいずれ撤去しなければならないような場合のように法律的な瑕疵がある場合も含めるが目的不動産の利用が制限されている場合と同じに扱う見解が多い。
売買の目的物に契約当時から物又は権利の瑕疵のあるときは、買主は売主の担保責任を追求できますが、買主が錯誤に陥っていることも多いと思われます。法律行為の要素に錯誤があれば、買主はいつまでも契約の無効を主張できることになっていますがこれを認めるべきかが問題になっています。担保責任と錯誤の両方の要件がみたされるときは判例では錯誤だけを主張できるとしているようですが、学説は逆に担保責任だけを認めて、権利又は物の瑕疵についての法律問題を短期間に処理すべしという考えが強くなっています。民法の担保責任に関する規定は任意規定ですから契約当事者は担保責任を負わない旨の特約をすることはできます。しかし、この場合でも売買の目的物に欠陥があることを売主が知りながら買主に告げなかった場合や目的物を買主自ら第三者に譲渡したりその上に権利を設定したりして買主に完全な物や権利を取得させなかった場合には、売主は担保責任を負わなければなりません。また、宅地建物取引業者が自ら売主となって宅地または建物を売買するときには、一定の場合を除き、目的物の瑕疵を担保する責任について、民法の規定よりも買主に不利となる特約をしてはならず、これに反する特約は無効とされています。

住まい暮らし生活

      copyrght(c).住まい暮らし生活.all rights reserved

スポンサーリンク